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ドイツの赤ワイン樽で仕上げたアラン ピノ・ノワールカスク

■アランブランドとは？

アランはスコットランドで比較的若いウイスキーブランドです。
このアランは、スコットランドにあるアラン島という場所で造られています。
このアラン島は観光業を主要産業としており、このほかにも農業やアラン・ブリュワリー・クラダックと呼ばれるビールの製造でも有名な地です。
さらに日本でもなじみ深いのがアランニットと呼ばれる手編みのセーターではないでしょうか。
これは今メンズ・レディースものでも人気の高いアラン模様で織られたニットです。
これが特産品となっているのもこのアラン島です。
アラン模様は、漁師の防寒用に作られたセーターであり、漁の網やロープ、浮きやかご、魚の骨などをモチーフとなっています。
意外にも私たちの身近にあるこのアラン島で、ウイスキーが造られています。
アラン島の北部にあるロックランザ村にアラン蒸溜所が設立され、シングルモルトが製造されているのです。
これがアランモルトと呼ばれ、世界で高い評価を受けています。
アラン島は、非常に穏やかともいえる気候でありリゾート地として知られ、英国王室の避暑地になっており、ロイヤルアイランドと呼ばれている王室ゆかりの島でもあるのです。
さらに島の荒涼とした大地、安定した雨量はウイスキー造りに格好の環境であり、仕込み水にはロッホ・ナ・デュー湖のイーサンビオラック川の水を使用しています。

■アラン蒸溜所の設立

アラン蒸溜所はかつて50近くの非合法の蒸溜所、つまり密造酒が造られてきました。
この当時はアラン島で造られているウイスキーのことを「アランの水」といって親しまれてきましたが、蒸溜所は次ーに閉鎖され、1837年最後となるラッグ蒸溜所の閉鎖とともにウイスキー造りが途絶えてしまいました。
当時のスコットランドでは酒類に多額の税金がかけられており、ウイスキーも課税対象であったことから税収がなくなっていくまでに追い込まれます。
これによってアラン島では158年もの月日ウイスキーが製造されなくなってしまうのです。
しかし、アラン島に注目したハロルド・カリー氏がここで自分の蒸溜所を造るという夢を叶えようと検討します。
カリー氏はシーグラムやペルノー、そしてシーパスリーガルのマネージングディレクターを務めたほどのスコッチ業界に精通した人物です。
資金問題で悩まされますが、彼の息子アンドリュー氏がクラウドファンディングにつながる発送で資本を集めて資金を手にします。
かのアランモルトを復活させたいと願う島民からの後押しもあり2,000人もの投資家を集めることもできました。
これにより1995年アラン蒸溜所が158年の時を経て設立され、アランモルトが復活を遂げたのです。
アランモルトは、シングルモルトにこだわり、オプティックと言われる大麦麦芽を使用しています。
これは2000年頃から使用されている新しい品種であり、アルコール収率は410から420ほどです。
このアルコール収率が高くなるほどアルコールを造りやすい良質な大麦と評価されています。
さらに蒸溜器は単式を用いて、原料が持つ風味を強く残している点がアランモルトの魅力につながっています。

■アランピノ・ノワールカスク

アランピノ・ノワールカスクはドイツのプファルツ地区の赤ワイン樽を使用して熟成されたアランカスクです。
KNIPSERはピノ・ノワールで有名な生産者です。
ドイツは白ワインのイメージが強い国ですが、ピノ・ノワールを中心として赤ワインもシェアが伸びてきました。
バーボンカスクで8年熟成させ、ピノ・ノワールのワインカスクによって9ヶ月熟成して仕上げたボトルです。
色はオレンジゴールドで、香りはオレンジキャンディーやワックス、カーネーション、ミモレットチーズに優しいミルクが香ります。
味わいはオレンジピールやワイン樽由来のチェリーブランデーにピリッとした黒コショウがあり、ミントからジンジャーのフィニッシュにつながります。
赤ワイン樽熟成のわりにタンニンによるえぐみさは思った以上には少なめであり、フルーティーさとペッパーの味わいが絶妙なバランスを生み出しています。