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バーボンウイスキーに語り継がれる歴史の謎とは

■興味深いアメリカのウイスキー
アメリカで作られるウイスキーのことをバーボンと呼ぶというのは、ウイスキーが好きな人なら誰もが知っていると言っても過言ではないでしょうが、正しくバーボンウイスキーと言うことで、バーボンがウイスキーであることが分かります。
単にバーボンと言うと、アメリカにはバーボンという種類のお酒があるのかと思ってしまう人もいるでしょう。
そんなアメリカで生まれたウイスキーを一般的には省略して単にバーボンと呼んでいるものの、バーボンウイスキーと呼ばれるウイスキーに仕上げるには厳しい基準があります。
お酒には一定の条件をクリアしていないと、その名を名乗れないというものは非常に多く、スコッチウイスキーもスコットランドで作られたことが条件になりますし、シャンパンにしてもフランスのシャンパーニュ地方で作られたものだけがシャンパンを名乗れるといったことは、非常に有名です。
バーボンウイスキーも同様に、アメリカのケンタッキー州で作られているウイスキーのことをバーボンと呼んでいます。
さらにこのバーボンウイスキーには、数多くの興味深い歴史の逸話が残っているのも面白いところです。

■名前の由来
1789年にアメリカ合衆国が誕生するにあたり、アメリカ独立戦争でアメリカ側に味方したフランスに敬意を払い、ブルボン王朝にちなんでケンタッキー州にアメリカ読みでバーボン郡が作られました。
このバーボン郡で同じ1789年にトウモロコシを使ってバーボンを始めて作ったのが、エライジャ・クレイグ牧師だとされています。
そのため、クレイグ牧師はバーボンの父とも呼ばれているほどです。
このケンタッキー州バーボン郡で作られたのが、アメリカで最初に生まれたウイスキーであることから、地名を取ってバーボンと呼ばれるようになりました。

■ウイスキーの父だけではなく始祖もいる不思議
アメリカのバーボンウイスキーを最初に作ったのは、ウイスキーの父ではなくウイスキーの始祖だとする説もあります。
それが、クレイグ博士よりも先に作ったことをラベルに記載しているバーボンウイスキー、エヴァン・ウィリアムスです。
エヴァン・ウィリアムスのラベルには、全てSINCE1783と記されており、これが事実だとしたら、最初にバーボンウイスキーを作ったのはエヴァン・ウィリアムスということになります。
エライジャ・クレイグ牧師の名前を取って付けられたエライジャ・クレイグはプレミアムバーボンとして濃厚で力強い味わいとなっていますが、エヴァン・ウィリアムスの方も負けてはおらず、世界で最も売れているバーボンウイスキーであるジム・ビームに次いで、売上2位となっているのは、エヴァン・ウィリアムスの方です。
おそらく、バーボンウイスキーのブランド知名度でいえば、クレイグ牧師よりも勝っていることでしょう。

■文献に見つからない歴史
バーボンの父が先なのか、それともバーボンの始祖が先なのか、しばしば論争が巻き起こりますが、どちらも上質のバーボンウイスキーであることは変わりません。
むしろこの論争のおかげで、2つのバーボンウイスキーを飲み比べする人も多いという特徴が生まれてきています。
エライジャ・クレイグは由緒正しいバーボンと称され、エヴァン・ウィリアムスはケンタッキーで初めてバーボンを作った人という認識が今では一般的となっていて、文献が見つからない以上、両者引き分けといった感じです。
そんなエヴァン・ウィリアムスが送り出すエヴァン・ウィリアムス ハニーリザーヴは、バーボンにハニーを加えた大人気のハニーリキュールです。
バーボンを作るエヴァン・ウィリアムスが、はちみつの味わいが絶品のリキュールを造り出したということで全米で大ヒットしたのが、このエヴァン・ウィリアムス ハニーリザーヴの一番の特徴です。
リキュールではあるものの、そこはエヴァン・ウィリアムス、バーボンの味わいもしっかり感じられる逸品に仕上がっています。