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エドラダワー10年アンチルフィルタード2005シグナトリーの歴史的背景

■昔ながらの製法で造られた一本

エドラダワー10年アンチルフィルタード2005シグナトリーは、ハイランド地方を代表するウイスキーの一つ「エドラダワー」の1銘柄です。
ウイスキーを製造するエドラダワー蒸溜所は、スコットランドで最も小さな蒸溜所として知られています。
昔ながらの製法でウイスキー造りが行われていますが、長い歴史の中で、オーナーが何人も代わっています。
エドラダワーは、どのような歴史を歩んできたのでしょうか。
エドラダワー蒸溜所の経営の歴史にスポットを当てて、エドラダワー10年アンチルフィルタード2005シグナトリーの歴史的背景に迫ってみたいと思います。

■エドラダワー蒸溜所誕生から繁栄まで

エドラダワー蒸溜所は、1825年、スコットランドのハイランド地方に誕生しました。
スコットランドのハイランド地方は、スコッチ・ウイスキー造りが盛んで、大小さまざまな規模の蒸溜所が点在しています。
エドラダワー蒸溜所は、その中で最も規模の小さな蒸溜所で、設立当初から蒸溜所の規模はほぼ変わっていません。
エドラダワー蒸溜所が誕生したキッカケは、農夫が農業の傍ら酒造りをしようと考えたからでした。
設立当初の運営者は、地元の農夫たちで組織された協同組合で、1933年まで続きました。
1933年、蒸溜所はウイスキー・ブレンダーとして名を馳せた、ウィリアム・ホワイトリーの手に渡ります。
蒸溜所を買収したホワイトリーは、製造したウイスキーを、アメリカのマフィア相手に販売しました。
当時アメリカではスコッチ・ウイスキーは非常に需要が高く、ホワイトリーはそこに目をつけたのです。
ホワイトリーは、1938年に引退しますが、それとともにエドラダワー蒸溜所は、ホワイトリーから事業を受け継いだ、アーヴィン・レイムの手に渡りました。
レイムが1976年に亡くなると、蒸溜所は、レイムとつながりのあったマフィアが所有したと言われています。
1982年にキャンベルが蒸溜所を買い取り、2002年まで続きました。
2002年以降のオーナーは、シグナトリー社で、2020年現在もシグナトリー社が蒸溜所の経営を続けています。
エドラダワー蒸溜所は、白い壁に真っ赤な窓枠・ドアという、とてもかわいらしい外観をしているのです。
こぢんまりとしたアットホームな雰囲気が魅力で、多くの観光客が足を運びます。
蒸溜所では一時、ブレンデッド用のウイスキーの製造もしていましたが、オーナーが代わった2002年以降は、シングルモルト用の原酒のみを製造しています。

■シグナトリー社とエドラダワー

シグナトリー社は、エディンバラに拠点を置くボトラーズで、歴史はそれほど長くないものの、勢いのあるボトラーズとして注目されています。
アンドリュー・サイミトンと、弟のブライアンによって1988年に立ち上げられたシグナトリー社は、これまで数々のヒット商品を出し、急成長を遂げました。
リリースされるボトルのほとんどはシングルカスクで、ボトルにはカスクナンバーが記載されています。
アンドリューは、以前から自分の蒸溜所を持ちたいという夢を抱き続けていましたが、エドラダワー蒸溜所を買い取ることで、その夢が現実のものとなりました。
エドラダワー蒸溜所は、蒸溜所自体は小さいものの、樽貯蔵庫は大きく、シグナトリー社が所有する何千もの樽が貯蔵されています。
貯蔵されている樽を目的に訪れる観光客も多く、エドラダワー蒸溜所には年間10万人もの人が足を運んでいるということです。

■エドラダワー10年アンチルフィルタード2005シグナトリーの特徴

エドラダワー10年アンチルフィルタード2005シグナトリーは、シグナトリー社がオーナーになってから初めてリリースされたボトルです。
ボトルには、シグナトリー社のロゴとともに、エドラダワー蒸溜所のロゴも描かれているという、貴重な一本となります。
オレンジやプラムなど、果物の豊かな香りとエドラダワー蒸溜所特有のクリーミーな味わいが堪能できる点が特徴です。
1週間で14樽ほどしか生産されない原酒から造られた、味わい深いスコッチ・ウイスキーを堪能してみてはいかがでしょうか。