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世界中から観光客がやってくるスコッチウイスキーの聖地

■ウイスキーの歴史と、スコッチウイスキーの聖地
ウイスキーが現在のような琥珀色をするようになったのは、スコットランドがイングランドに併合され、スコットランド独自の議会がなくなったしまったことによります。
イングランドは、当時、スコットランドの人たちが地酒として飲んでいた蒸留酒に法外な値段の酒税をかけ、スコットランドのお金をイングランドに吸い上げようとしたのです。
スコットランドの人たちが600年もの長きにわたって守り、そして楽しんできたお酒から法外な税金をとられないために、スコットランドに密造酒の時代が訪れます。
出来上がった蒸留酒をシェリー樽に詰めて、役人にわからないように隠したのです。
その結果、隠している間に熟成が進み、現在のような琥珀色をしたウイスキーが生まれたというわけです。
そのため、ウイスキーが飲まれ始めたのは800年ほど前と言われていますが、現在の美しい琥珀色をしたお酒をウイスキーとよぶならば、その歴史はなんとたったの200年という、非常に短いものとなってしまいます。

■蒸留所の数が多かったのも特徴
そんな短い期間しか作られていないウイスキーですが、さいわいなことにスコットランドには蒸留所の数が多く、しかもそれぞれが独自の個性を大事にした酒造りをしていたことが幸いしました。
そんな中、ウイスキーの聖地と呼ばれたのがアイラ島で、周りを全て海に囲まれていることから、潮の香りと、たくさん栽培されていたピートをふんだんに使えたことから、独特の風味を持ったウイスキーができあがったのです。
人によっては「消毒液のようなにおい」と表現されることもあり、そこは本当に好き好きですが、この強いピート香と独特な潮の香のとりこになる人も珍しくありません、蒸留所の数だけスコッチウイスキーの種類も増え、しかもその味わいがそれぞれによって異なることから、「ウイスキーなんて水割りにしてもハイボールにしても、しょせんは水替わり」といった飲み方をするのは非常にもったいないと言えます。
特に先人のご苦労を考えると、手に取ってラベルを見ることさえもしないというのでは、ウイスキー職人にとって大きな寂しさがあるのではないかという気がしてなりません。

■スコッチウイスキーの聖地へいってみよう
ヘブリディーズ諸島の中でもとりわけ「ウイスキーの聖地」とまでいわれるアイラ島には、8つの蒸留所があり、全て見学させてくれたのち、テイスティングのおまけもつきます。
見学ツアーで世界各国から人がおとずれるようになったことから、蒸留所の案内の最後には、誰もが楽しみにするウイスキーの試飲を行っています。
アイラ島にあるアードベッグ蒸留所の作るウイスキーはとくに「アイラモルト」と呼ばれるピートと潮の香が強いことから、好き嫌いがはっきりわかれるところですが、いったん閉鎖されたのち、買収され、再び操業を開始した蒸留所です。
アイラ島でランチが楽しめるカフェがある蒸留所として人気があり、スコッチウイスキーファンなら一度は行ってみたい蒸留所です。

■アードベッグと言えば有名な限定品
アードベッグに限らず、どこの蒸留所でも限定品を作って発売していますが、アードベッグ蒸留所で最もよく知られているのが、「超新星」という意味の「スーパーノヴァ」です。
2010年に発売された「アードベッグ スーパーノヴァ2010」は、ピートが強いアードベッグの中にあって、もっともピートレベルが高いアードベッグとなっており、それがまたアードベッグ好きにはたまらない要素となっています。
いつも限定販売されることから、高い評価を受けている逸品ですが、何といっても超新星の名が示す通り、まるで星が爆発したかのような強烈で長い余韻が楽しめるシングルモルトウイスキーであることが、アードベッグのウイスキーを、他の蒸留所のウイスキーとはまったく異なる味わいに仕上げているといっていいでしょう。
この「超新星」は、毎回限定発売を楽しみにしているファンが多いことでも知られています。