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フロアモルティング時代に造られたアードベッグの希少なオフィシャルボトル

■アードベッグの最盛期を偲ぶオフィシャルボトル

「アードベッグ リミテッドエディション 1975」はスコットランド・アイラ島にあるアードベッグ蒸溜所が、まだ自社でフロアモルティングを行っていた1975年に蒸溜したオフィシャルボトルです。
1798年にウイスキーの生産を始めたアードベッグ蒸溜所は、1815年に商業生産用ウイスキーを行うこととなりました。
しかし1981年に生産停止となったため、「アードベッグ リミテッドエディション 1975」はアードベッグがフロアモルティングから蒸溜、熟成そしてボトリングまで手掛けていた時代の大変貴重なオフィシャルボトルといえます。
アードベッグは非常にデリケートで複雑な味わいを持つモルトとして、世界中のウイスキー愛飲家たちから高い評価を受けている究極のアイラモルト・ウイスキーです。
アードベッグ特有の個性である強烈なスモーキーさとフルーティーな香味が混ざり合い、より複雑みを増した仕上がりとなっているのが特徴です。
アイラの大地を吹き抜ける海風が運ぶヨード感も効いた味わいは、アイラモルトらしい力強さもあわせ持っています。
まさにリミテッドエディション（限定版）にふさわしい、魅力いっぱいの逸品です。

■ブレンド用ウイスキー生産蒸溜所として始まったアードベッグ

2000年頃まで一般市場にて販売されていたアードベッグのオフィシャルボトルの「アードベッグ リミテッドエディション 1975」ですが、もともとアードベッグ蒸溜所はブレンデッドウイスキーに用いるブレンド用ウイスキーの生産を主としていました。
1798年のウイスキー生産から始まったアードベッグの歴史の中で、大きな節目は創業となる1815年のことです。
この年から商業生産ウイスキーの蒸溜も手掛けるようになったアードベッグは、1886年までには約60名の従業員を抱えていました。
年間のウイスキー生産量は30万ガロンで、これはドラム缶（200リットル）の5,679本分です。
30万ガロンと聞くとどれくらいの量なのかピンとこないものですが、リッター数に換算すると1,135,623.6リットルになります。
日本で根強い人気を誇る「角瓶」を有するサントリーも、近年のウイスキー人気を受けて蒸溜器の増強を行ってきました。
1990年代から消費量が上向いてきた「角瓶」は、2013年には20年ぶりに300万ケースを突破します。
そしてちょうどこの頃から日本でもアイラモルトが人気の高まりを見せ、1981年より生産停止状態だったアードベッグ蒸溜所も、1989年より1996年まで少量だけではあったものの限定的にウイスキーの生産を続けていました。
そして1997年にはグレンモーレンジィによってアードベッグ蒸溜所の買収が決定し、アードベッグ蒸溜所は再稼働を果たすこととなります。
そして1998年には全盛期に近いフル生産にこぎつけ、一時は閉鎖の危機だった最悪期を乗り越えて見事に復活を果たしました。

■アイラ島はウイスキーの聖地

1779年に創業したボウモア蒸溜所を筆頭に、現在アイラ島では10の蒸溜所がウイスキー造りを行っています。
1798年からウイスキーの生産を行っているアードベッグ蒸溜所が正式には1815年創業となっているのと同様に、アイラ島にあるラガヴーリンも公的には1816年設立です。
しかし実際には1742年から密造酒造りを行っていたと考えられ、アイラモルトの歴史はかなり古いといえるでしょう。
さらにアイラ島は密造酒造りに最適な環境でもあったため、淡路島ほどの面積の島に10もの蒸溜所が建ち並ぶことから「ウイスキーの聖地」や「ウイスキー島」とも呼ばれます。
ほとんどの蒸溜所が見学ツアーを実施しており、レストランやカフェ、ホテルまで併設して世界中から訪れるアイラモルト・ファンを迎えています。
特にアードベッグ蒸溜所のカフェは好評で、観光で訪れた人ーがゆったりとランチを楽しめるようにしてあるのです。
アードベッグ蒸溜所のカフェでなら、「アードベッグ リミテッドエディション 1975」をはじめとする各種オフィシャルボトルが楽しめることは間違いありません。