猛毒のハブが薬膳酒に
ハブといえば、沖縄や奄美諸島などに生息する毒蛇であり、噛まれたら命をも奪う蛇として現地でも恐れられています。
一方で、生命力の強さから滋養強壮や精力アップになると古くから珍重されており、酒に漬け込んで毒を消した薬味酒や薬膳酒として毎日の健康や長寿のためにと親しまれてもいます。
ハブは独特の風貌で見た目にも怖い蛇ですが、水を飲むだけでも100日以上生き続ける力があると言い伝えられており、生命力が強いパワーの持ち主です。
ハブエキスには人の体内でホルモンバランスを改善することや、内臓を強化する働きがあるとされ、長寿県として長年君臨してきた沖縄の地で古くから愛飲されてきました。
一般的なお酒のようにゴクゴクと食事のお伴などに飲むのではなく、薬膳酒や薬味酒として、毎日少しずつ健康習慣のようにいただくのがおすすめです。
1日30ml~60mlを目安にストレートやロック、水割りやお湯割りなどお好みのスタイルで楽しむことができます。
ハチミツを加えて飲んでも美味しいですし、紅茶に加えてホットアルコールティーとしていただくのもおすすめです。
沖縄を代表するハブ酒の種類や特徴
ハブ酒を漬けるベースとなるのは、やはり沖縄や奄美諸島の基幹作物であるサトウキビから造るラム酒やラムに似たサトウキビベースのアルコール度数の高いお酒となります。
ラムベースのものは、甘美で香り高いラムで生命力の強いハブのエキスを抽出されるので、まろやかな味わいが楽しめます。
本来、生臭さがある野生のハブがラムに漬け込むことで気品ある飲み口に変わるとともに、滋養強壮をサポートするハブエキスを高濃度で抽出することに成功しています。
また、アルコール度数59度と高いサトウキビ酒にハブを漬けてエキスを抽出した後、香り高い13種類の泡盛ベースのハーブ酒と合わせたタイプもメジャーです。
果実ハーブを配合することで、ブランデーのような香りと味わいが出てハブ特有の生臭さが消え、長期貯蔵熟成をすることで味に丸みが出て飲みやすい仕上がりとなっています。
漢方の考え方では果実系ハーブの平の薬性と、アルコールの温の薬性は体を温める作用があり、血行を促して体の機能を活性化させる役割が期待できます。