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アラン1996 ベリーズ・オウン・セレクションは創業2年目に造られたヴィンテージ物

■創立者の思いが込められたヴィンテージ物のウイスキー

アラン1996 ベリーズ・オウン・セレクションは創立2年目に仕込まれたウイスキーで、創立者ハロルドカリー氏の思いが込められています。
元々彼はウイスキーの大企業であるシーバス・ブラザース社で代表を務めていた経歴の持ち主で、余生をウイスキーづくりに注ぎたいという思いで、スコットランドにあるアラン島で新たにアラン蒸溜所を設立したのでした。
アラン島を選んだ理由は海に近く、自然環境が素晴らしく、新鮮な水が豊富にあったことでした。
こうした環境はウイスキーを造るのに最適であったため、ウイスキー蒸溜所が造られたのです。
蒸溜所の建物の構造は伝統的な手法でデザインされており、ハロルドカリー氏自身が設計を行い、建物自体は近代的な方法で建築されています。
1995年当時は、多くの老舗蒸溜所が閉鎖をし、ウイスキーづくりはあまり盛んに行われていなかったのですが、ハロルドカリー氏は自分の蒸溜所を持つことが夢でしたので、この場所にウイスキー蒸溜所を設立することにしたのです。

■資金難を解決するための奇抜なアイデアとは？

新たに蒸溜所を設立するためには、莫大な費用がかかります。
ハロルドカリーはまず、その資金源をどうするか困り果てていました。
彼には二人の息子がおり、その解決策を息子に相談することにしたのです。
彼の息子がクラウドファンディングというアイデアを提案しました。
最初にポンドを販売した後に、ピン度購入者に対して、商品を優先的に届けるというシステムです。
このシステムのおかげで資金問題を解決することができました。
そして蒸溜所の場所は、ハロルドの息子が、地質学を学んでいたため、ウイスキーづくりに適した場所と、上質な水が確保できる場所、輸出もできる場所を考慮し、選定された場所がアラン島でした。

■ロッホ・ナ・ダビー源泉の水を使用し蒸溜

アラン蒸溜所で蒸溜に使用する水はロッホ・ナ・ダビーから流れる水を源泉としています。
ロッホ・ナ・ダビーは、標高874mを誇るゴートフェル山の山間に流れる水で、花崗岩を通過しているため、洗練されたまろやかな味わいがあります。
わざわざここから水を汲み上げ、ウイスキーづくりに使用しているのです。
こだわりのロッホ・ナ・ダビーの水はピート層を通過すると、独特な風味が増していきます。
またウイスキーの原料として使用されている大麦はモーレイシャーやアバディーンシャー産のオプティック種が使われています。
この大麦はスコットランドの北東部の大麦生産地帯で採れたもので、ウイスキーづくりに適した材料です。

■創業当時の苦労の歴史が沁み込んだアラン1996

アラン1996は、まさに創業当時の苦労が沁み込んだウイスキーだと言えるでしょう。
創業2年目という年に樽の中に仕込まれ20年という長い歳月で熟成させたウイスキーは、創業者や蒸溜所のスタッフの思いや苦労など、様々な気持ちも含まれたウイスキーです。
歴史の浅いアラン蒸溜所ですが、アイランド・モルト・スコッチ・ウイスキーアラン蒸溜所は、クィーンズ・アワード・フォア・エクスポートを受賞しました。
これは、イギリスで最も栄誉ある女王輸出賞です。
まさか、老舗のウイスキー蒸溜所ではなく、近代にできたばかりのアラン蒸溜所がこのような名誉ある賞を受けるとは、誰も思わなかったのではないでしょうか。
アラン蒸溜所は、今や世界中のウイスキーマニアやコレクター、ウイスキー評論家から称賛を集めるほどの蒸溜所に成長していったのです。

■アラン1996 ベリーズ・オウン・セレクションのテイストは？

アラン1996 ベリーズ・オウン・セレクションのテイストはシェリーの香りが漂う、蜂蜜やトフィー、ヘーゼルナッツのような味わいと、フルーツが混ざったようなまろやかな味がするウイスキーです。
グラスの中でリッチゴールドな色合いに輝き、風味や味も変化しますので、口の中で余韻を楽しむことができるでしょう。
アルコール度数は53.7%とやや高めです。