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ヨーロッパ限定品 クライヌリッシュ 12年 フレンズ・オブ・クラシック

■ハイランドの誉れ高いシングルモルト・スコッチ・ウイスキー

「クライヌリッシュ 12年 フレンズ・オブ・クラシック」は、ディアジオ社からリリースされ、ヨーロッパの一部で販売された限定品です。
ディアジオ社が運営するシングルモルト愛好家で組織されたクラシックモルトの会員向けにボトリングされました。
ヨーロピアンオーク樽で12年熟成させたのち、2009年に発売されました。
繊細なフルーツの酸味にリンゴやバニラなどシェリー系のアロマが穏やかに漂うと同時に、オイリーでコクのあるオレンジ系の甘さと厚みのあるボディが感じられます。
ソフトでまろやかでありながらも粘性を持って口内に広がり、こってり感を味わえる仕上がりになっています。

■クライヌリッシュとブローラ

クライヌリッシュ蒸溜所は、第2代スタッフォード伯爵であるジョージ・ルーソン＝ゴア
（後のサザーランド公爵）により1819年に建設されました。
クライヌリッシュのラベルにはサザーランド公の副紋章である山猫（ワイルドキャット）が描かれています。
1925年にDCL社（現在のディアジオ社）がオーナーとなりました。
1967年にブレンド用原酒の需要増加により、蒸溜所の隣に近代化された同じ名前の蒸溜所が築かれました。
それに伴い旧蒸溜所はブローラと名前を改称しました。
ブローラ蒸溜所はスピリッツの生産を1983年まで続けましたが、閉鎖までに造られたブランドである「ブローラ」は、希少性が高く現在も高値で取引されています。
ディアジオ社は、近年のウイスキーブームを受けてブローラ蒸溜所を2020年に復活させると発表しています。
当時の製法を再現するため、閉鎖前の蒸溜法や樽熟成など詳細に設計されているとのことです。
現在、クライヌリッシュ蒸溜所で造られたウイスキー原酒の約95％は、ブレンデッドウイスキー用として生産されています。
ジョニーウォーカーゴールドラベルのキーモルトとして有名です。
残りの5%はオフィシャルのシングルモルトボトルとして、またはボトラーズからリリースされています。
ブレンデッドウイスキーの原酒としては広く知られていましたが、クライヌリッシュがシングルモルトとして脚光を浴びるきっかけとなったのは、1992年から始まったユナイテッドディスティラーズ社(現ディアジオ社)によるプロジェクト「花と動物シリーズ」です。

■花と動物シリーズ

「花と動物シリーズ」とは、ユナイテッドディスティラーズ社が保有する中で、選りすぐりの蒸溜所のウイスキーを、シングルモルトとして発売するというもので、統一された特徴的なラベルが付けられていました。
それぞれの蒸溜所に関係する花や動物をあしらったラベルデザインで、各蒸溜所の近くに住んでいる動物であったり、生えている花であったりします。
クライヌリッシュの場合は山猫でした。

■ウイスキーと猫

ウイスキーと猫は昔から密接な関係にあります。
ウイスキーの原料である大麦はネズミの餌となってしまうため、スコットランドのウイスキー造りではネズミ駆除のために猫が飼われてきました。
ウイスキーキャットやディスティラリーマウザーと呼ばれています。
有名なウイスキーキャットはグレンタレット蒸溜所の「タウザー」で、世界一ネズミを捕ったネコ」としてギネスブックに載りました。
生涯で28,899匹捕らえており、銅像も建てられ今も蒸溜所を見守っています。
エリザベス女王と誕生日が同じことから、女王とバースデーカードの交換も行いました。
蒸溜所の衛生状態が良くなった今は、ネズミ駆除のために飼われていませんが、ウイスキーキャットはマスコットキャラクターとして現在も愛され、蒸溜所で大事にされています。
クライヌリッシュのラベルの猫は、ウイスキーキャットではなく、サザーランド公の副紋章である山猫ですが、この山猫は、ハイランドタイガーとも呼ばれ、今でもハイランド山中に生息しています。