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世界に認められたジャパニーズウイスキーの実力

■ 世界から見た日本のウイスキーの歴史
大正時代にすでに日本にはウイスキーが存在しましたが、造っていたのは薬種問屋だったことから、ウイスキーとは名ばかりのものでした。
当然のことながら味もおいしくはなく、日本のウイスキーは世界からウイスキーとは認められないものだったのです。
そんな品質の悪いウイスキーを本物のウイスキーにしたのが、洋酒の販売を早くから手掛けた寿屋、現在のサントリーの創業者・鳥井信治郎と、本場スコットランドでスコッチウイスキーの造り方を学んで帰ってきたニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝です。
2人が成し遂げた功績は今も子孫によって語り継がれ、多くの人がその情熱のおかげでおいしいジャパニーズウイスキーを飲むことができているといえます。

■ 世界に認められたジャパニーズウイスキーとは
日本で造られるウイスキーの品質が素晴らしいと世界が認め始めたのは、2001年にニッカウヰスキーの余市蒸溜所がシングルカスク余市10年で、ウイスキーマガジンによるワールドウイスキーアワードで最高得点を取り、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティションではメルシャンの軽井沢ピュアモルト12年が金賞を受賞しています。
さらに、イチローズモルトで知られるベンチャーウイスキーが造った地ウイスキーのキング オブ ダイヤモンズは、2006年に余市と同様に最高得点を取っています。
イギリスが発行するウイスキーのガイドブック、ワールド・ウイスキー・バイブル2015で世界最高に選ばれたのが、山崎シングルモルト・シェリーカスク2013で、2017年のインターナショナル・スピリッツ・チャレンジではサントリーの響21年がウイスキー部門で最高と認定されるなど、まさに枚挙に暇がありません。
白州25年はシングルモルトとして、竹鶴17年はブレンデッドモルトで、イチローズ Malt＆Grain Limited Edition～Japanese Blended Whisky～も限定ブレンデッドで世界最高の賞を受賞しています。

■ 一つだけ消えてしまった蒸溜所
これほど多くの賞を総なめにし、世界各国から今やウイスキーを飲むならジャパニーズとまで言わしめるほど高品質となった日本のウイスキーですが、先に挙げたウイスキーの中で、すでに蒸溜所が存在しないところがあります。
それが、メルシャンが造っていた高品質ウイスキーの軽井沢で、2012年に軽井沢蒸溜所は閉鎖され、上質のウイスキーを造り出していた原酒もすべてが売却されました。
ニッカウヰスキーにしてもサントリーにしても、さらに世界から注目されるイチローズモルトのベンチャーウイスキーにしても、これからもさらなるおいしいウイスキーを造り、世に送り出してくれるでしょう。
ジャパニーズウイスキーの質が世界最高とまでいわれるようになったのはうれしいことですが、そんな世界に認められた高級ウイスキーを造っていた蒸溜所が、受賞後に閉鎖されてしまったというのは、なんとも切ないことでもあります。
サントリーにしてもニッカウヰスキーにしても、原点回帰という意味合いからか、発売当時のウイスキーを再び発売して往年のファンに喜んでもらっていますが、軽井沢蒸溜所だけはそれが叶いません。
ウイスキーの質のよさでは、どこにも負けないものを持っていただけに、生き残れなかったことが非常に残念です。

■ 5つの年代を駆け抜けた軽井沢が集結
軽井沢 FIVE DECADES（ファイブディケーズ）は、ファイブという名前からもわかるように、1960年代に始まり、70年代、80年代、そして90年代から2000年までの各年代で造られた軽井沢をブレンドした稀有なシングルモルトウイスキーです。
5つの異なる年代に造られた軽井沢でありながら、出来栄えは非常にバランスがよく、軽井沢蒸溜所で造られていたウイスキーがいかに高品質であったかを証明する逸品です。
レーザー刻印が施されたスペシャルなボトルは、味わいのよさもさることながら、その特別さによってコレクターも注目する軽井沢で、二度と造られることがないだけに、ぜひとも手に入れたいものです。