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ウイスキー造りへの強いこだわり

■ 創業者はワイン製造元
軽井沢蒸溜所が造っていたウイスキーのことは、ウイスキーが好きという人なら知っているかもしれません。
現在は空前のハイボールブームとあって、若い人たちが好んでウイスキーを飲んでいますが、若い人ほど国産ウイスキーならニッカにサントリー、海外ならスコッチはシーバス、バーボンはジムビーム、カナディアンならシーグラムといった具合に知識も豊富でしょう。
ニッカウヰスキーとサントリーは、ジャパニーズウイスキーの重鎮として押しも押されもせぬ存在ですが、かつて日本にはもう一つ、上質のウイスキーを造る蒸溜所があったのです。
大黒葡萄酒が造った軽井沢農場にあった軽井沢蒸溜所で、のちにワインの製造販売を行うメルシャンに買収され、メルシャンがウイスキーを販売していました。
創業した大黒葡萄酒は、のちにオーシャンと社名を変更し、造り出すウイスキーの看板商品にもオーシャンの名を付けていたため、メルシャンはこのオーシャンという名のウイスキーも含めて、蒸溜所や貯蔵庫のすべてを買い取ったのです。

■ こだわりの強さは2大巨頭に負けない
ジャパニーズウイスキーの父と呼ばれたニッカウヰスキーの竹鶴政孝と、本物のウイスキーを何とか日本に広めたいと考える商人気質であったサントリーの鳥井信治郎の功績は、ジャパニーズウイスキーを語るうえで欠かせません。
そんな2人があまりにも上質のウイスキーを造ったものですから、ほかはすっかりかすんでしまっています。
とはいえ、もともと日本にはウイスキーの蒸溜所はありませんでしたから、実質的にサントリーとニッカが国産ウイスキーのシェアをほぼ占めたのも当然といってよいでしょう。
そのうちのほんの一角だったのが、ワインで知られるメルシャンが造るウイスキーです。
軽井沢蒸溜所で造られるメルシャンのウイスキーがことのほか上質かつ美味だとして、ウイスキー愛好家を中心にひそかに知られる存在でした。
ウイスキーを造るにあたってのこだわりは、竹鶴政孝や鳥井信治郎に負けないものがあり、ゴールデンプロミス種麦芽で造った蒸留酒をシェリー樽で熟成させるという方法を採っていました。
蒸溜に手間のかかるポットスチルを使っていたのも、竹鶴政孝が造ったウイスキーと同じですし、政孝がスコットランドに似た場所を国内で探し回り、余市に見つけたのと同様、軽井沢蒸溜所の地もまた、スコットランドに非常によく似ていたのです。
原酒はシェリー樽に入れ、蔦に覆われた木造の貯蔵庫でじっくり熟成させたことから、原酒にはシェリーの甘い香りが加わり、得も言われぬ味わいを造り出していました。

■ 謎の多い蒸溜所としても有名
軽井沢と名付けられたウイスキーを発売したのはメルシャンですが、すべてにおいて熟成期間を示す年数が記されています。
もともと創業主である大黒葡萄酒は、軽井沢に蒸溜場を造る前から塩尻でウイスキーの製造を行っていたこともあって、軽井沢蒸溜所ができたときには原酒を持っていたと考えられます。
蒸溜所ができたのは1955年で、翌年の1956年にはもう生産・販売をしているからです。
1962年にメルシャンに買収されるまでの間はたった6年ほどですが、メルシャンが買収したときには木製の貯蔵庫にはすでに多くの原酒が存在したといわれ、軽井沢蒸溜所の存在をはじめとして、どのようにして生まれ、原酒を貯蔵していたのかが今一つわからない、謎の多い蒸溜所だったといえるでしょう。

■ こだわりが詰まったピュアモルト
軽井沢 ピュアモルト 8年 軽井沢物語は、原料にこだわり、熟成方法にこだわった軽井沢蒸溜所の神髄が味わえるピュアモルトです。
世界5大産地の中でも特に注目を集めているジャパニーズウイスキーですが、過去に造られた上質のウイスキーが現存しているほかは、もう二度と手に入らないウイスキーとあって、世界中のウイスキーファンが手に入れたいと願っている逸品です。
今はなき軽井沢蒸溜所のウイスキーの質のよさをとことん満喫できる、こだわりが詰まったピュアモルトとなっています。