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希少価値が極めて高い「グレンフィディック 1937」


■プレミアムが付く希少な「グレンフィディック 1937」

「グレンフィディック 1937」は、歴史あるグレンフィディック蒸溜所の貯蔵庫で64年間にわたって眠っていたモルト原酒を、グレンフィディックが誇るモルトマスターであるデビット・スチュワートがボトリングし、2001年10月に限定販売されたものです。
現存するスコッチウィスキーの中でも最も古いとされる、極めて希少価値の高い一本です。
超長期熟成された世界最古のシングルモルトウィスキーは、わずか61本だけであることからプレミアムが付き、過去にはイギリスで400万円以上の値段が付けられた驚きの歴史を持ち合わせています。

■世界最古のシングルモルトを生み出した蒸溜所

グレンフィディック蒸溜所は、世界で一番売れているシングルモルトの蒸溜所です。
創業は1887年と古く、スコッチウィスキーの聖地であるスコットランドのハイランドにあるスペイサイド地域で、代々にわたり数少ない家族経営を続けています。
創業者であるウィリアム・グラントは、20年間勤めたモートラック蒸溜所を辞め、自身が理想とするウィスキー造りを目指して、1886年の夏に妻と9人の子どもたちと、たった1人の石工とともに、手作業で石を積み上げて蒸溜所の建設に着手しました。
1年がかりで蒸溜所が築き上げられ、1887年のクリスマスの日に念願のファーストドロップが生み出されました。
そして、ウィリアム・グラントのひ孫に当たる4代目のサンディ・グラント・ゴードンとチャールズ・グラント・ゴードンの兄弟が、1963年に世界初となるシングルモルトをリリースしたことでも有名です。
今でこそ、シングルモルトは人気ですが、1960年代に至るまで、ウィスキーはブレンド用として出荷、輸出されていました。
ブレンデッドウィスキーしか流通していなかった時代に、世界初となるシングルモルトを商品として売り出したのがグレンフィディック蒸溜所だったのです。
たちまち世界の人々の舌を捉え、その勢いと人気は衰えることはありませんでした。
現在では約180ヶ国へ輸出されており、シングルモルト市場では世界ナンバーワンのシェアを維持し続けています。
つまり、グレンフィディック蒸溜所は世界初のシングルモルトを発売し、世界最古のシングルモルトを生み出し、さらに世界ナンバーワンのシングルモルトシェアを誇るナンバーワンづくしのシングルモルトなのです。

■超長期熟成の「グレンフィディック 1937」の誕生の歴史

「グレンフィディック 1937」は1937年に原酒が詰められた843番の1樽が使われています。
ウィスキーの熟成に適した暗く湿った熟成庫で64年間にわたって長い旅を続け、1937年から合わせて10人の熟成庫職人が代々その樽を管理してきました。
いかに徹底した管理を行っても、熟成が進むほどに蒸発が進んでしまいます。
そのために64年もの長い熟成期間を経たウィスキーと巡り会えるのは、なかなかない非常に稀なものとなるのです。
ウィスキーの世界では樽からの蒸発を「天使の分け前」と呼んでいます。
その蒸溜所のウィスキーがあまりにおいしいために、天使がやってきて飲んでしまうというのです。

843番の樽も天使たちが分け前を持ち去ってしまったために、わずかに61本分だけの極めて限られた数量となりました。

■熟成庫の番人

グレンフィディック蒸溜所は蒸溜所内に蒸溜設備や貯蔵庫だけでなく、樽造りの工房や瓶詰め設備まで備えています。
蒸溜器の職人や樽職人も常駐させ、自社で仕込みから瓶詰めまで行う、徹底した品質管理を行っており、一貫生産ができる世界で2つしかないシャトーモルトの蒸溜所です。
各工程の専門職人がおり、熟成庫職人が樽の中で静かに熟成するのを見守っています。
樽に液漏れがないかをチェックし、モルトマスターのためにサンプル抽出などを行い、熟成モルトを絶えず監視して最新の状態についてモルトマスターに報告する役割を担っています。
何年もの間、樽を寝かせてハイランド地方の澄んだ空気で呼吸をさせ、グレンフィディック蒸溜所ならでは代々受け継がれてきた鹿の谷の精気を染み込ませているのです。