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■ヘネシー誕生の歴史とは
コニャック地方には三大コニャックブランドが存在しますが、そのうちの一つであるヘネシーは、今から253年前の1765年、フランスのコニャック地方にリチャード・ヘネシーによって創立されます。
興味深いことに、リチャード・ヘネシーはフランス人ではなくアイルランド人だったそうですので、今やフランスを代表するコニャックの代名詞ともなったヘネシーは、アイルランド人の手によって誕生したわけです。
ただ、リチャード・ヘネシーはこのコニャック地方で生まれるコニャックに魅せられたことにより、ずっとこの地を愛し、ここに住み続けてコニャック作りに没頭します。
リチャードが生まれた当時のアイルランドはイングランドによる圧政に苦しんでいた時代ですので、フランスのコニャック地方にやってきた時には、おそらく身も心もホッとしたのではないでしょうか。
それが、ヘネシーという偉大なコニャックが生まれることになったキッカケだったかもしれません。
貴族の出身であったリチャード・ヘネシーは、フランスにおいても将校という高い身分にありながら、その地位を捨ててコニャック作りに文字通り、全身全霊をかけて挑みます。
このリチャード・ヘネシーの情熱があったからこそ、ヘネシーは世界にその名を知られるブランドになったと言えそうです。

■リチャード・ヘネシーのこだわりその１：ぶどうと畑
もともとフランスのコニャック地方でもワインを作っていましたが、この地で育つブドウからできるワインは酸味が強い上にアルコール度数が低く、お世辞にもおいしいワインとは言えませんでした。
オランダ人貿易商がこのワインを何気なく焼いて蒸留したところ、香りも味も非常においしくなったことを受けて、リチャード・ヘネシーのコニャック造りへの情熱はますます高まります。
彼はまずブドウ作りにこだわり、非常にフルーティな味わいの「ユニ・ブラン」という品種のブドウを、第一等級の畑であるグランド・シャンパーニュ」を筆頭に、「プティット・シャンパーニュ」に「ボルドリ」、さらに「ファン・ボア」といった具合に土壌を変えて育てていきます。
これにより、ヘネシーの品質を格段に上げることになるブドウがとれるようになったのです。

■こだわりその2：蒸留
コニャックの蒸留は、単式蒸留機による蒸留を2段階に分けて行い、さらには直火での加熱が決まりです。
この決まりがあるなか、リチャード・ヘネシーは銅でできた窯を使い、1回目蒸留を3回＋2回目を蒸留1回を基本の1セットとして行いました。
これだけの回数の蒸留を行うことによって、徹底的にどうしても原酒に混ざってしまう不純物を取り除いたのです。
蒸留を繰り返すことによってアルコール度数は下がっていきますが、その分、不純物を極限まで取り除いた、非常にピュアな原酒が出来たのが、ヘネシーの特徴と言えます。

■こだわりその3：樽
出来上がった原酒は樽に入れて保存しますが、コニャックと認められるためには、樹齢100年以上のフランスのオーク樽でなければなりません。
ヘネシーでは、この樽を何と30万個以上も持っており、まさにこだわり、ここに極まれりといった感じです。
現在、ヘネシー社ではブレンダーが毎日100種類以上ものオー・ド・ヴィーと呼ばれる原酒を作り出しており、これを樽に入れ、長いものでは100年かけて熟成します。
今日出来た原酒は100年後、どんな味わいになっているのでしょうか。

■さまざまな原酒が醸し出すコニャック
「ヘネシーV.S（ベリースペシャル）」は、グランドシャンパーニュを筆頭に、プティットシャンパーニュとボルドリ、そしてファン・ボアから生まれたそれぞれの原酒を40種類以上ブレンドして作り上げたコニャックです。
芳醇なスパイスに、フルーツの香りが感じられるアロマが絶妙なバランスを醸し出しています。
ヘネシーならではの力強さと同時に、エレガンスな味わいも感じられることから、コニャック初心者にもおすすめと言えそうです。