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■コスパの良さで人気だったピュアモルト

NIKKA（ニッカ）竹鶴12年ピュアモルトは2000年から発売され、2014年3月に惜しまれながらも終売となったウイスキーです。
香りと味わいに優れ高品質なピュアモルトながら、価格がお手頃であったため、コストパフォーマンスに優れたウイスキーとしてウイスキー愛飲家から非常に人気があった歴史を持ちます。
終売に向けて品薄となり、終売後には竹鶴17年よりはるかに高い価格で取引されるなど、プレミアムが付くほどの人気となり、手に入りにくい状況となっています。

■香りやテイスト

NIKKA（ニッカ）竹鶴12年ピュアモルトはアルコール度数は40度とやや抑えられていますが、NIKKA（ニッカ）が誇る国内にある2つの蒸留所のモルト原酒100%で作られたバランスに優れたウイスキーと評価されています。
力強く個性的な北海道の余市モルトと、華やかさが際立つ宮城県の宮城峡モルトをヴァッティングしていますが、モルトウイスキーの概念を超越するスムースな飲みやすさが魅力です。
アップルのような甘酸っぱさを兼ね備えた湧き立つような華やかな香りで、ほんのりとしたフルーツのような甘みが感じられ、モルト特有の苦みや渋みが抑えられています。
バランスに優れた軽やかな味わいで、すっきりと気持ちよく楽しめる芳醇なピュアモルトとなっています。

■竹鶴ピュアモルトができるまでの歴史

後にNIKKA（ニッカ）の創業者となった竹鶴政孝は大正時代の1918年、何のつてもないなかで、24歳の若さでたった一人でスコットランドに渡り、本場のウイスキー造りを学びに出かけました。
「日本で本物のウイスキーを造りたい」というチャレンジスピリットと情熱が彼を突き動かし、積極的に多くの蒸溜所の門を叩き、勤勉な性格が相まって現地の方に信頼され、2年をかけて本場のウイスキー造りを学んで帰国します。
帰国後に竹鶴政孝は、スコットランドに気候風土が似た場所を探し当て、北海道余市に余市蒸留所を開設し、自らの理想を叶えるためのウイスキー造りをスタートさせます。
1940年秋には第一号ウイスキーが発売され、その後、スコットランドに学びに行ってから約50年の時を経て、1969年には宮城県の美しい自然の中に宮城峡蒸溜所を開設したのです。
余市とは異なるテイストのモルト原酒を合わせることで、さらに芳醇なウイスキーを造りたいとの理想を叶える新たな歴史がスタートしました。
後にイギリスの首相に就任したヒュームは、1962年に来日した折に「日本から来た独りの若者が1本の万年筆とノートで、わが国門外不出のウイスキー造りの秘密を盗んでいった。」と表現するなど、本場スコットランドに引けととらない世界でも認められるジャパニーズウイスキーが、創業者である竹鶴政孝の手によって生み出されていたのです。
NIKKA（ニッカ）竹鶴12年ピュアモルトはその創業時代からの技術と情熱、創業者の想いを受け継いで造られたウイスキーであり、NIKKA（ニッカ）自慢の2つの蒸留所でモルト原酒を熟練のブレンダーが繊細にブレンドして造られています。
自然環境や風土、気候や温度などが異なる蒸留所からは、異なる個性のモルト原酒が生み出されますが、それをブレンダーの技でブレンドすることで、竹鶴ピュアモルト独特の華やかさとコクのある深い味わいが生まれます。
NIKKA（ニッカ）竹鶴12年ピュアモルトはモルト原酒の熟成期間が12年以上と短めではありますが、ウイスキーファンを多いに満足させる仕上がりとなっており、香り、味、飲み心地と価格のバランスに優れたウイスキーとして高い評価を得ていた製品になっています。
現在は終売ということで、製造元や販売元から新たに商品が市場に出回ることはありませんが、ウイスキーは長く保つ製品ですので、過去に販売された商品が酒販専門店やオークションなどに出回っているのを買うことが可能です。