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■ヘネシー誕生の歴史に欠かせない人物
1750年にイングランドに弾圧される祖国・アイルランドで生きることに息苦しさを感じたリチャード・ヘネシーは、自由を求めてフランスへと渡ります。
フランスは、アイルランド人であるリチャードにとって、ひどく心地よい自由が感じられる国でした。
当時のフランスはルイ15世が治める国で、ちょうどオーストリア継承戦争を終わらせたころですが、フランス国民にとっては特に得る物はなく、民衆の間には不満がくすぶっていました。
とはいえ、コニャック地方に着いたリチャードは、軍人として国王に仕えながらも、コニャックというブランデーの中でも高級とされるものだけが持てる称号を持ったお酒は、これから世界中に広まっていくという、いわば先見の明を持っていました。
その結果、1750年にコニャック地方に着いた時には国王に仕える一人の将校だったリチャード・ヘネシーは、1765年にコニャック作りに着手することを決意します。
これがヘネシー誕生の歴史のスタートで、ヘネシーを生み出した人物です。

■格付けを決めたのもヘネシー
ヘネシーは250年以上にわたって続いていますが、それはリチャード・ヘネシー、のちにフランス読みに名を改めたリシャールの子孫によって、着実に守られていきます。
リシャールが作り出した「比類なきコニャック」は、フランス国内だけでなくアメリカやオーストラリア、そしてアジアへと広まっていきます。
その過程の中で、コニャックのグレードである「Extra Old」、通称「X.O」を生み出したのが、曾孫のモーリス・ヘネシーです。
ヘネシーは、コニャックの格付けを熟成年数で決めるようにし、Vから始まり、VSOP、そしてX.Oへと続きます。
熟成期間はそれぞれ3年以上、5年以上、7年以上となり、ブレンディングされるオードヴィーと呼ばれる原酒の数も増えていくのが特徴です。
ヘネシーは250年以上にわたる長い歴史を持っていますので、モーリスによって定められたX.O以降も、さまざまな逸品と言えるコニャックが作られています。
特に創始者であるリシャール・ヘネシーの名を付けた「リシャール・ヘネシー」は、ヘネシー社における最高級品質となっているあたりは、さすがです。
創始者の名前を冠づけるのですから、最上級の物を作り出さないわけにはいかなかったでしょう。
まさに失敗の許されないコニャック作りに挑戦したあたり、リシャールの子孫はもちろんのこと、従業員たちも勇猛果敢で、コニャックにかける情熱は創始者に負けないものを持っていたといえそうです。

■特に人気はX.Oとそのボトル
庶民でも手を出せる範囲の高級ヘネシーで、味わいは最高級品質と言えるだけに、やはり「ヘネシーX.O」に人気が集まる傾向があります。
その中でも、1870年代につくられた「ヘネシーX.O」は、現在とは違う旧ボトルで作られていることが特徴となっており、キャップには金と黒があり、さらにクリアボトルとグリーンボトルにわかれています。
この異なるタイプのボトルとキャップの組み合わせで作られた「ヘネシーX.O」は、マニア垂涎のお宝ものとなっています。
ヘネシーX.Oは、6つあるヘネシーの畑のうち、上位4つのグランド・シャンパーニュとプティット・シャンパーニュ、そしてボルドリとファン・ボアからとれたブドウを使って作った原酒だけを、100種類ブレンディングして作ったお酒であり、パワフルな香りと、滑らかな舌触りが楽しめるヘネシーならではの高級コニャックがボトリングされています。
味わいもさることながら、グリーンボトルはクリアボトルにうっすらと緑がかったボトルに仕上がっているのが特徴で、これがまた何ともヘネシーのコニャックを深みのある色合いに見せるという効果を発揮しているのが特徴です。
今ではお宝ものとなっているだけあって、とりわけグリーンボトルの金キャップを手に入れることが出来れば、非常に価値のあるヘネシーとなるのは確実です。