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コレクターにとっては絶対に欲しい逸品

■コニャックの王様を作り出したブランド
レミーマルタンの名を有名にしたのは、上質のコニャックを作る技術に長けていたからだと言えますが、時の権力者であったルイ13世はレミーマルタンが作り出すコニャックを殊の外気に入り、1600年代にフランスを襲った食糧大飢饉の際にも、レミーマルタンが所有する畑でだけは、ブドウ栽培を続けさせたことで知られています。
後のルイ15世も同様に、食糧不足で大飢饉が起こっても、レミーマルタンの所有する「ルイ13世」のコニャックを作るためのブドウ畑の栽培だけは、頑として続けさせたと言いますから、時の権力者が国民に対する食糧難への対応よりも優先させたいほど魅力を持ったコニャックだったことは明らかです。
そのため、レミーマルタンの「ルイ13世」は唯一無二のプレミアムコニャックであり、「王のコニャック」とも呼ばれていますが、その理由は過去の歴史からも明らかです。
ここまで権力者をとりこにするコニャックを作り出したレミーマルタンの「王のコニャック」とはどういう味わいだったのか、コニャック好きとしてはぜひ飲んでみたいところです。
ルイ13世ブランドアンバサダーを務める日本人女性の言葉を借りるなら、「その魅力は時間を味わうという最高の贅沢」ということになるらしく、毎日忙しい日々を送っている人たちにとっては、なかなか想像のできない味と言えるのではないでしょうか。

■レミーマルタンが作り出した「ルイ13世」の歴史
レミーマルタンから「ルイ13世」が誕生した歴史をみてみると、1本のフラスクがきっかけであることがわかります。
1569年、ジャルナックの戦いが行われた場所のほど近くで、一人の農夫が非常に美しい金属製のフラスクを発見したのです。
そのフラスクにはユリの紋章が刻まれており、この美しいフラスクを発見した農夫が持ち込んだ先が、レミーマルタンの4代目当主であったエミール・レミー・マルタンのもとでした。
エミール・レミー・マルタンはこのフラスクを一目見るなり大いに気に入って、複製を作るための複製権を取得し、当時は樽詰めで作られるのが当たり前であったコニャックを瓶という新しいスタイルで売り出そうと考えたのです。
瓶に入れて販売するという方法も画期的だったのですが、この時に作られたガラス製のデキャンタがとりわけ美しく、長い年月を経た今でもその美しさが変わることはありません。
この特別なデキャンタに詰めるコニャックは特別なものでなければならないと考えたエミール・レミー・マルタンは、その後のレミーマルタンを代表するコニャックとなる「ルイ13世」作りに、非常に熱心に取り組んだことが歴史に記されています。

■特別なコニャックにするためのブレンディング
コニャックはワインとはことなり、複数の原酒を混ぜ合わせる、いわゆるブレンディングという手法を用いて作られるお酒です。
「ルイ13世」のコニャックは、40年～100年にもわたって熟成された原酒を、贅沢に1200種類も使い、優れたブレンディング技術を持つマスター・ブレンダーによって絶妙にブレンドされて出来上がったのですから、おいしくないはずがありません。
国王をとりこにする「ルイ13世」が生まれた記念すべき瞬間ですが、その後も折に触れて販売されてきました。
特に豪華なことで知られるのが「レミーマルタン プティ ルイ13世 ダイヤモンド」で、「プティ」とはフランス語で「小さい」を意味し、50ml入りとなっています。
通常ボトルが700mlなので、かなり小さめですが、バカラ社製のクリスタルのボトルトップに鑑定書付きの0.1カラットのダイヤモンドを5つも埋め込んだ、非常に高級なボトルとなっています。
ボトルは勿論ですが、コニャックそのものも豪華で、およそ3000種もの熟成した原酒から選んでブレンディングしたと言いますから、まさに只者ではない「ルイ13世」です。
ダイヤモンドが入ったボトルトップはペンダントにできるよう、革ひも付きにしていたところも、プティの魅力となった逸品です。
コレクターなら、ぜひとも手に入れたいレミーマルタンと言えます。