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■ヘネシーの長い歴史
ヘネシーは1765年に、フランスのコニャック地方に生まれました。
創業者のリチャード・ヘネシーはアイルランド人で、リチャードというのはアイルランドでの呼び方です。
リチャードはフランスのコニャック地方でヘネシーという会社を作った際に、自分自身の名前も「リチャード」からフランス語の「リシャール」へと変えています。
ただ、ブランデーの中にはリチャードという名前を付けたものもありますので、リチャードがイヤでリシャールに変えたわけではなさそうです。
アイルランド人として生まれたことを恥じるわけではないけれど、これからはフランスで高級ブランデーを作っていくのだという思いが、リシャールという名前も持つことを選択させた理由なのかもしれません。それを証明するかのように、ブランデー作りに非常に大きな情熱を傾けたことで知られています。

■アイルランドからフランスへ
リチャードがアイルランドからフランスのコニャック地方へ渡ってきた一番の理由は、アイルランドに対するイングランド統治によるカトリック弾圧を嫌ったためです。
リチャードは自由を求めてフランスへ渡りましたが、1750年にルイ15世の近衛隊の外国人士官として、コニャックに駐留します。
おそらくリチャードは、1765年にヘネシーという会社を興すに至るまでの間に、フランスでワインやシャンパーニュ、それにブランデーも飲んだことと思われます。
その中でも、とりわけ高級ブランデーが彼の好みに合ったのではないでしょうか。
だかこらそ、リチャードは外国人士官からコニャック作りへと転身することになったような気がします。

■リシャール・ヘネシーとしてヘネシー創業
名前をフランス読みのリシャールにして、ヘネシーという高給ブランデーを作り始めた創業者のリシャールですが、創業から250年の時を経た今、コニャックといえばヘネシーと言われるほどのコニャックの銘酒を作り出した創業者がアイルランド人であったということは、少しばかり面白い歴史と言えます。
もちろん、リシャールにとってコニャックは住み心地のいいところであり、興味を惹かれたコニャック作りに最適な地だったことも大いに関係してることでしょう。
コニャックという地が、アイルランド人であろうとフランス人であろうと関係なく、偉大なヘネシーというコニャックをフランスにもたらしたといえそうです。

■コレクター魂がうずくシリーズ
ヘネシーは長い歴史を持つ会社だけあって、魅力的なコニャックがたくさんあることで知られています。
特に、「ヘネシー X.O エクスクルーシブ コレクション」は、2016年の1月に発売されたコレクションでいうところのⅨ（ナイン）、いわゆる第9弾に当たります。
「ヘネシー X.O」だけが持つ唯一無二な個性へのオマージュとして、年ごとに違うコンテンポラリーアーティストとコラボレーションして発売するという、数量限定のシリーズです。
何といっても一番の特徴は、アーティストとのコラボレーションから生まれるデザイン性の高いボトルで、ボトルの形状が毎年違うことから「今年は一体どんなボトルになるのだろう」という楽しみがコレクターの中に広がり、コレクションするには最適なシリーズとして人気が高いのが特徴です。
当然のことながら、そのボトルの美しさとアーティストとのコラボレーションという要素から、希少価値の高いシリーズになるのも当然と言えます。
第9弾である「エクスクルーシブ コレクションⅨ」は、プロダクトデザイナー・トム・ディクソンとのコラボレーションですが、ヘネシーとの縁は深いようで、今作がシリーズ3作目名となるのが特徴です。
気になるコニャックは、1870年に世界で初めてエクストラオールドとして認められた、まさに伝説的ともいえるものを使用しており、さらにアーティストが生み出すデザインのボトルは、ヘネシーがこれまでの歴史はもちろん、現状にも満足することなく、常に前へ進もうとする革新性を表すコラボレーション企画そのものといえるでしょう。