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■東京在住者のみに与えられた特権
「森伊蔵 錦江 1800ml グリーンラベル 透明瓶」は、東京都在住の人たちだけが購入することができる「限定品」として発売されました。
森伊蔵酒造が製造するこの「森伊蔵 錦江 1800ml グリーンラベル 透明瓶」は、現在は既に製造されていないため、「幻の超レア焼酎」としてその存在が記憶されています。
森伊蔵酒造は、焼酎愛飲家の間で知らない人がいないほど有名なメーカーで、焼酎界の最高峰と言っても過言ではない存在です。
その森伊蔵酒造が地域を限定して販売した「森伊蔵 錦江 1800ml グリーンラベル 透明瓶」は、全国に存在する「森伊蔵 錦江」ファンはもちろんのこと、海外にも多くいるファンに垂涎のまなざしで見られたものでした。
コレクターにとっては、喉から手が出るほど欲しい逸品であったことは間違いないと思われます。
その証拠に東京在住者に対して、他府県に住む森伊蔵ファンが購入を頼み込む現象があちこちで起こりました。
さらに国内だけでなく、海外に住むコレクターがインターネットを通じて、今もオークションなどで手に入れようと躍起になっている商品でもあります。
終売となった現在も、その人気は衰えを知らず「森伊蔵 錦江 1800ml グリーンラベル 透明瓶」を探し求める人が、今もなお後を絶たない芋焼酎なのです。

■森伊蔵の名を全国に轟かせた銘酒
有限会社森伊蔵酒造は1885年(明治18年)に、鹿児島県垂水市牛根境の地で創業しました。
垂水市は鹿児島県の中部、大隈半島の北西部に位置する市で、市の西側に隣接する桜島はかつては離島でしたが、1914年に起きた大噴火によって垂水市と地続きになりました。
市域東部の内陸部はシラス台地と山地になっており、自然に恵まれた土地柄となっています。
この垂水市に製造・販売の拠点をおく森伊蔵酒造の代表銘柄は、何と言っても「森伊蔵」ですが、「森伊蔵 錦江」は「森伊蔵」が発売される前に誕生していた芋焼酎でした。
そしてこの二つの芋焼酎は卓越した美味しさを誇っていたため、九州地方はもとより全国にもその名前が知れ渡るようになったのです。
どちらの銘柄にも「森伊蔵」の名前が刻まれていたことにより、森伊蔵酒造の名は焼酎メーカーのパイオニアとしても知られるようになりました。
過去には発売日に長蛇の列が出来、交通渋滞を引き起こす事態まで発生したのです。
それ以降、森伊蔵酒造では店頭での一般販売を行わず、定めた一定期間中に電話で予約を受け付け、当たった人にのみ販売する方法を採っています。
手に入れるためには努力が必要なのですが、その手間を惜しまないほど多くの人が求める銘酒なのです。

■森伊蔵の美味しさの原点
森伊蔵酒造が焼酎の醸造に拠点をおいている鹿児島県は、古くからサツマイモの産地として有名です。
そして、垂水市に広がるシラス台地からは天然の地下水が湧き出ており、美味しい焼酎造りに欠かせないサツマイモと水が揃った最高の環境となっています。
芋焼酎の最高峰と称される「森伊蔵」の発売に先駆けてすでに販売されていた「森伊蔵 錦江」にはグリーンラベルの他に有名な赤ラベルがあります。
この赤ラベルは製造された年月がはっきりと分かっておらず、2001年6月に販売が終了されて以降、一切製造されていない大変希少な銘柄です。
「森伊蔵 錦江」の赤ラベルとグリーンラベルの一升瓶は、発売当時どちらも透明瓶が使われていました。
その後、グリーン色、茶色へと変更されたため、現在では3種類の色をした一升瓶が存在しています。
森伊蔵の人気の秘密は、鹿児島の風土が育んだ有機栽培によって育てられたサツマイモと、天然の湧水を使用して仕込みをしていることが大きな要因です。
自然の恩恵を享受できる環境が、美味しい芋焼酎を造り出せる原点ともいえるでしょう。
そして、創業当時から続く伝統の「かめ壺仕込み」を継承していることも、森伊蔵の人気を不動のものとしている理由です。
大変手間のかかるこの製法を、今も当時のまま受け継いでいる森伊蔵酒造の焼酎造りにかける思いを垣間見ることができます。