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■モーターレースでも知られる勝利者のシャンパン
モーターレースで勝利者が表彰台の上でシャンパンの栓を開け、飛び出す泡を周りに浴びせ掛けるシーンは誰もが一度は目にしたことがあるでしょう。
このシャンパンファイトが初めて行われたのは、1967年の24時間耐久レースの表彰式でした。
そこで初めて使われたのがモエ・エ・シャンドンです。
モエ・エ・シャンドンはあらゆるモーターレースやヨットレースのパートナーに選ばれ、勝利者の最高の瞬間を称える存在となりました。
モエ・エ・シャンドンは、その品質も生産量もシャンパンのトップクラスで、年間200万ケース以上を出荷しているビッグセラーです。
とても新しいシャンパンのようなイメージもありますが、初めて誕生したのは1743年で、非常に長い歴史を持っています。

■ルイ15世やナポレオンに愛されたワイン
モエ・エ・シャンドンは1743年に誕生します。
そしてそのたった5年後の1748年には、フランス王ルイ15世に認められ、フランス王室御用達のワインに抜擢されます。
ただ、ルイ15世と言えば愛人のポンパドゥール夫人が有名ですので、この大抜擢もワインを気に入ったポンパドゥール夫人が王に進言したのでしょう。
ポンパドゥール夫人がルイ15世と過ごすひと時には、なんと数百本ものモエ・エ・シャンドンが部屋に運び込まれたと言われています。
このように王も夫人も虜にしたモエ・エ・シャンドンですが、その後ナポレオン1世やヴィクトリア女王もモエ・エ・シャンドンに心を奪われることになります。
特にナポレオン1世はモエ・エ・シャンドンの3代目当主、ジャン・レミー・モエ氏に勲章を授与していますから、並々ならぬ認め方と言えます。
そんな歴史的背景もあり、ナポレオン生誕100周年に当たる1869年に、モエ・エ・シャンドンはモエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアルを初めてリリースしました。
モエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアルは今や同社の顔とも言える有名すぎるワインですが、それはアンぺリアル=皇帝のために造られたシャンパンということなのです。

■270年以上走り続けて来たブランド
モエ・エ・シャンドンが生まれたのは、フランスシャンパーニュ地方にあるエペルネです。
初代はクロード・モエ氏で、シャンパンを最高のワインにする目標の下、これだけの逸品を作り上げることに成功しました。
しかもフランス王に認められるまでの期間が非常に短いことから、非常に腕の良い人物であったことが分かります。
そして3代目当主のジャン・レミー・モエ氏は、シャンパンの地位を一気に押し上げ、ブランド力を世界的なものへ成長させました。
ジャン・レミー・モエ氏はナポレオンと親密な交友関係を持ち、シャンパン以外のワインの製造を全てやめて全精力を傾けます。
こうした徹底的な取り組みにより、シャンパンの品質とステータスを向上させることに成功しました。
ただ、現在でも有名なモエ・エ・シャンドンという名称になったのは、ジャン・レミー・モエ氏の息子のヴィクトール・モエ氏の時代です。
後継者にヴィクトール・モエ氏と娘婿のピエール・ガブリエル・シャンドン氏の2人が選ばれたことから、1833年に正式にモエ・エ・シャンドンが誕生します。
現在多くの企業と合併し、世界的なグループへと成長を遂げていますが、長い歴史の中でも経営的な手腕に非常に長けていたことが分かります。
そして当然のことながら設立以来、270年以上、クオリティの高いシャンパンを造り続けていることに間違いはありません。

■モエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアル
モエ・エ・シャンドン ブリュット アンペリアルは、先ほど触れたように、ナポレオンの生誕100周年に生み出された同社の顔です。
世界最大級の出荷量を誇る人気で、世界中から愛されている優れたシャンパンと言えるでしょう。
新鮮なフルーツや柔らかい花の香りを感じ、しなやかな口当たりは女性にも深く愛される味わいです。
3種類のブドウの調和が生み出すエレガントなシャンパンは、贈り物としても非常に喜ばれる逸品でしょう。