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■メキシコといえばテキーラ
メキシコといえばテキーラがすぐに思い浮かぶという人は、お酒が好きな人の中に多いと思われますが、実際に飲んだことがあるという人なら、テキーラに良い印象を抱いている人もいれば、そうでもないという人もいるのではないでしょうか。
それはおそらく、飲んだテキーラの味によって「テキーラとはこういうお酒」というイメージがインプットされてしまったからだと考えられます。
そもそもテキーラは古代アステカ時代から作られている長い歴史を持つお酒で、蒸留という方法でつくられる蒸留酒であることから、出来立ては無色透明です。
これは、蒸留酒であるウイスキーやブランデーと共通する要素で、テキーラもその後、樽に入れて熟成させます。
テキーラにはシルバーとゴールドという2色の色合いがあるというのが有名ですが、これは樽の中でどのくらい熟成されたかによって生じる違いです。
蒸留酒というものの性質を知っていると、作りたてのテキーラと、じっくりと樽の中で熟成された場合とでは、かなり味わいに差が生じてくるのが特徴です。

■世界遺産にも登録された歴史あるお酒
テキーラは、ハリスコ州にあるサンティアゴ・テキーラという町の特産品であったことから、この町にちなんでテキーラと名付けられたことはよく知られています。
メキシコの特産品であるテキラリュウゼツランという植物から作られる伝統的な蒸留酒であり、原材料であるテキラリュウゼツランは、すでに3500年前からこの土地に自生していたと言われていますから驚きです。
先住民たちはこの植物を着るものや縄、そして住居づくりにも用いていましたが、一番は絞り汁を発酵させた飲料であるプルケを作るのに使っていました。
いわゆるテキーラの元祖です。
そのため、その長い歴史は評価に値するとして、2006年「テキーラの古い産業施設群とリュウゼツランの景観」が世界遺産に登録されています。
プルケがテキーラになったのは、16世紀に入植してきたスペイン人たちの手によってプルケが蒸留され、蒸留酒となったことが始まりとされています。
サンティアゴ・テキーラという名の植民地ができたのも、この時のことです。

■テキーラのおいしい飲み方
植物を原料とするお酒はたくさんありますが、テキーラは蒸留酒ということもあって、メキシコではストレートで飲む人は少なくありませんが、日本ではほとんどいないといっていいでしょう。
そのため、日本では徐々にカクテルにアレンジして飲まれるようになっていきました。
テキーラを使ったカクテルでおなじみなのはマルガリータで、アメリカで大人気のカクテルです。
テキーラは塩と相性がよいことから、テキーラをベースにして作ったマルガリータの場合、グラスのふちに塩が付けられています。
これで不思議なほど味が引き締まるところが、テキーラで作るマルガリータの魅力です。
甘酸っぱいパイナップルと合わせたマタドールも人気ですし、日本でも人気のモヒートをテキーラで作ったメキシカン・モヒートがあれば、ぜひ飲んでみるといいでしょう。

■製造会社の歴史といえば
メキシコを代表するお酒であることから、テキーラを製造する会社はたくさんありますが、その中でシェアナンバーワンと言われるのがホセ・クエルボです。
1795年にホセ・マリア・グアタルーペ・クエルボによって設立されますが、設立当時のメキシコはまだスペインの植民地だった時代の創業ですので、かなりの歴史を持つ会社といえます。
そんなホセ・クエルボが作り出す「クエルボ1800レポサドテキーラ」は、テキーラの熟成度でいえば5段階ある内のちょうど真ん中に位置します。
2ヶ月～1年ほど樽の中で熟成させたのがレポサドですので、色は琥珀色をしています。
メキシコのみならず、世界中でその品質の良さが知られているクエルボなら、文句なしにおいしいテキーラに仕上がっていることでしょう。
古代アステカのプルケを思い浮かべながら、ストレートやオン・ザ・ロックにチャレンジしてみるのもいいかもしれません。