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■薩摩の焼酎を現代につなげる酒造
限られた生産量の焼酎、赤兎馬を製造するのは鹿児島県いちき串木野市にある濱田酒造です。
創業は1868年の明治元年、薩摩の焼酎づくりの伝統を受け継ぎながら海外の文化も積極的に受け入れ、時代を拓いて来た精神が今も息づいています。
濱田酒造には伝兵衛蔵、傅藏院蔵（でんぞういんぐら）、薩摩金山蔵（さつまきんざんぐら）という3つの蔵があります。
伝兵衛蔵は、昔ながらの木桶蒸留器を使った甕貯蔵という明治・大正時代の製法を守っている伝統の蔵です。
一方、傅藏院蔵は最新システムを導入し、現代の高品質焼酎を量産している新時代の蔵です。
そして薩摩金山蔵は、江戸時代の焼酎づくりを再現し、濱田酒造が誕生する前の味を追求する歴史の蔵です。
それぞれ規模も違い製法も大きく違いますが、そのことで焼酎づくりのみならず、文化の継承も同時に行っています。

■伝統の蔵・革新の蔵・伝承の蔵
3つの蔵にはそれぞれコンセプトがあり、非常に個性豊かな顔を持っています。
伝兵衛蔵のコンセプトは伝統です。
当主の濱田伝兵衛の名を冠したこの蔵では、創業当時の味を再現し続けるため、原料や木桶蒸留器、かめ壺、麹室など、全ての道具や環境を守り、蔵人たちが手作業で酒造りを行っています。
傳藏院蔵のコンセプトは革新で、品質が高く美味しい酒をひとりでも多くの人に届けるために、最新設備で酒造りを行っています。
杜氏は揺るぎない技術を持ち、安定した高品質の焼酎を生産する腕を持っており、赤兎馬もこの蔵で生み出されています。
薩摩金山蔵のコンセプトは伝承で、こちらでは女性杜氏が焼酎仕込みを行っています。
350余年も掘り続けられた総延長120kmの坑洞内にかめ壺仕込みとかめ壺貯蔵を構え、酒造ができるはるか前、江戸時代に造られていた焼酎の再現に取り組んでいます。

■初代・濱田伝兵衛の想いを次世代へ
初代である濵田伝兵衛が焼酎づくりを事業化したのは、自宅で作った焼酎を地域の人たちに振る舞った時に、その美味しさに皆が驚き、喜び、評判になったことがきっかけと言われています。
このエピソードからもわかるように、濱田酒造は地域の方々に寄り添いながら酒づくりを続け、ついには150年を迎えたことになります。
伝統を伝えるのは場所ではなく人であるという信念のもと、人同士が対話し、想いを交わした酒造は、代々の蔵人たちと顧客とでしっかりと伝統を守って来ました。
連綿と紡がれるその想いはこれからも変わらずに、きっと新しい時代へとつながって行くことでしょう。
明治維新の頃、串木野金山や薩摩藩士たちは、新しい文化を学ぶために外国へと旅立って行きました。
濱田酒造はそうした時代とともに生き、現在では薩摩の歴史を焼酎とともに全国に届けるために、薩摩金山私学校も開催しています。
本格焼酎には500年もの長い歴史がありますが、そこには国の文化性と大衆性とが備わっています。
世界中で本格焼酎を酌み交わすのが当たり前の時代となるように、特性が異なる3つの蔵で、世界に向けて焼酎の奥深さを発信し続けているのです。

■本格焼酎の最高のその先にある紫の赤兎馬
焼酎、紫の赤兎馬は、濵田酒造が本格焼酎の最高を求めて造り上げた赤兎馬のラインナップの中で、年2回のみ限定で発売している至極の焼酎です。
原料には黄金千貫（こがねせんがん）という黄金色の芋と、希少な頴娃紫（えいむらさき）というサツマイモをブレンドして使用しています。
赤兎馬自体、非常に風味豊かでまろやかな味わいですが、そこに更に華やかな風味と紫芋特有のフルーティな口当たりがプラスされた紫の赤兎馬は、また違った魅力のある逸品です。
口に含むと芋焼酎本来の甘くふくよかな味わいが広がり、そのバランスの良さに思わず笑みがこぼれるでしょう。
紫の赤兎馬には、紫の赤兎馬でしか味わえない特別な美味しさがあります。
薩州 紫の赤兎馬はアルコール度数25度、720ml瓶12本1ケースが人気です。