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■ワインといえばボルドー
フランスワインといえば高級ワインというイメージがありますが、このイメージを固定させた理由に、ワインの産地であるボルドーの存在が挙げられます。
たくさんのシャトーが存在する中に、5大シャトーと呼ばれる最高品質のワインを作り出すシャトーがあることから、高級なフランスワインの中でも特別な地位を勝ち得ているからです。
そんな5大シャトーの筆頭といえるのが、シャトー・ラフィット・ロートシルトです。
中世の頃からブドウの作付けは行われていましたが、17世紀に入ってセギュール家がシャトー・ラフィットの持ち主になってから、本格的なワイン造りが始まりました。
そんなシャトー・ラフィット・ロートシルトには、一度は飲んでみたい素晴らしい出来栄えのワインがたくさんありますが、シャトー・ラフィット・ロートシルト 2005年もそんなワインの一つです。

■なぜ5大シャトーのトップに君臨しているのか
シャトーの敷地面積123haの内、ブドウ畑は実に100haもあるというシャトー・ラフィット・ロートシルトは、上質なブドウが獲れることがおいしいワインを生み出す最大の理由になっているといえます。
作付けは有名なカベルネ・ソーヴィニヨン70%にメルロー25%と、95%までをよく知られたブドウが占めています。
この割合を見るだけでも、上質なワインができそうな気がしてくるほどです。
そもそもボルドーワインはワインの王様と称されるほど、高品質のワインとして知られていますが、かつてフランスの宮廷ではボルドーの旧地名であったギュイエンヌは田舎とみられており、もっぱらブルゴーニュのワインがよいとされていたのです。
そこで、ギュイエンヌ総督のリシュリュー男爵マレシャルがルイ14世の愛妾であるポンパドゥール夫人にギュイエンヌのワインを勧めたところ、大いに気に入ってヴェルサイユ宮殿の晩餐会では必ず飲むようになったことがきっかけとなって、一躍ボルドーワインが注目を集めます。
その中でも特に「王のワイン」とまで絶賛されたのが、シャトー・ラフィット・ロートシルトだったのです。

■数奇な運命を経てなお、上質のワインは継承される
葡萄園の王子と呼ばれたセギュール男爵には男の子がいなかったことから、シャトーは4人の娘が継承し、そのため、シャトーはいくつかに分かれてしまいます。
そこへロスチャイルド家が登場し、競売に出されていたシャトー・ラフィットと、のちにラフィットに統合されるシャトー・カリュアドを競り落として新しい持ち主となります。
シャトー・ラフィットはシャトー・ラフィット・ロートシルトと改名されてロスチャイルド家に引き継がれ、19世紀後半に訪れたワインブームに乗ってヨーロッパでの好景気に沸きに沸くことになりました。
ただ、20世紀前半にかけてはブドウ畑がフィロキセラによって壊滅的な被害に遭い、さらに第一次世界大戦によっても大打撃を被ります。
第二次世界大戦でフランスはドイツに占領され、セラーも略奪を受けるなど、まさに不遇の時代でした。
そんなシャトーの再建に乗り出したのは、1945年末にラフィットの所有権を取り戻したエリー・ド・ロッチルド男爵です。
ただ、男爵は評判を回復することはできず、彼の甥が事業を継承して、見事に名声を回復させました。
シャトーを見舞った数多くの試練は、多くの人の努力によって諦められることなく再建されていったのです。

■今では世界最高峰品質のワイン
ボルドーワインがフランス一、さらに世界一と称されるようになった今、あまたあるシャトーの中でも5大シャトーのトップに君臨するシャトー・ラフィット・ロートシルトは、ワイン好きなら一度は飲んでみたいワインです。
宮殿に集う貴族たちを魅了し、「王のワイン」と言われたシャトー・ラフィット・ロートシルトの中でも、「シャトー・ラフィット・ロートシルト 2005年」はボルドーワインの特徴でもある深みのある色あいと、気品溢れる優雅な香りが楽しめる逸品です。
華麗という言葉がピッタリのエレガンスな味わいは、まさに別格という言葉がぴったりくる最高級品となっています。