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■ワインの女王と呼ばれる究極のボルドーワイン
シャトー・マルゴーの名は、ワインには特に詳しくない人でも、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ワインの産地として知られるフランスのボルドーの北、メドック地区マルゴー村にあるシャトー及び、ここで作られたワインのことを、シャトー・マルゴーと呼びます。
ボルドーワインは主に赤ワインですが、シャトー・マルゴーは262haのブドウ栽培地の内87haを赤ワイン用のブドウに、12haを白ワイン用のブドウにあてて栽培しているのが特徴です。
白ワイン用のブドウは、ソーヴィニヨン・ブランが育てられています。
とはいえ、やはり世界にその名を知られるシャトー・マルゴーを語る上でははやはり赤ワインであり、世界で最も有名な赤ワインと言っても過言ではありません。
メドック地区では4つの第一級格付けのワインがありますが、その中でもひときわ有名なのがシャトー・マルゴーです。
なぜこれほどまでに有名なのかというと、10年から数十年という長い期間にわたって熟成が可能なことから、良質なヴィンテージワインとして取引がなされるためです。
ちなみに、第一級から外れたセカンドラベルは「パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー」となり、さらにセカンドレベルにも達しなかった物でさえも「マルゴー」の名がついて販売されるのですから、いかに人気があるかがわかろうというものです。

■白ワインも人気
メドック地区はボルドーに近いこともあって、主流は赤ワインではありますが、シャトー・マルゴーの白ワインはソーヴィニヨン・ブランから作られることから高品質の白ワインとなり、「パヴィヨン・ブラン・デュ・シャトー・マルゴー」と、こちらもしっかりとシャトー・マルゴーの名前を付けて販売されています。
赤ワインの年間35万本には遠く及びませんが、ワインといえば赤ワインという地域で年間に4万本が生産されているのですから、かなりの人気といっていいでしょう。
せっかくですので、赤と白、両方のシャトー・マルゴーを味わってみたいものです。

■フランスワインの歴史は女の戦いでもあった
ルイ14世の寵愛を得ようと、ポンパドゥール夫人がシャトー・ラフィットをヴェルサイユ宮殿に持ち込んだ話は有名ですが、シャトー・マルゴーもまた、ポンパドゥール夫人の次の愛妾であるデュ・バリー夫人が宮廷に持ち込み、好んで飲んだことから有名になったという歴史を持っています。
フランスはワインを水替わりに飲んでいた国ですので、どれだけおいしいワインを見つけるかということが、女たちにとって権力を握るためには重要だったかがこれらの事実からわかります。
また、時の権力者に愛されるために上質のワインを見つけるのはもちろんですが、愛妾たち自身も上質のワインを飲むことによって、自分は特別であるということを認識していたのではないかという気がします。
日本では、お酒によって権力者の寵愛を得るというような歴史はほぼなかったといっていいことから、ワインという飲み物が持つ力と不思議さに大きな関心をかきたてられそうです。

■シャトー・マルゴーの2015年ヴィンテージの特徴は
10年から数十年の熟成が可能だとされるシャトー・マルゴーだけに、これまで数多くの伝説に残るワインを生み出してきましたが、その中でもシャトー・マルゴー2015年は、ワイン造りの条件が申し分なく整ったヴィンテージイヤーにできたワインとして、シャトー・マルゴーファンにとってはぜひ飲んでみたい逸品となっています。
かつてシャトー・マルゴーでは、同じくヴィンテージイヤーとして2005年、2009年、さらに2010年にも高品質のヴィンテージワインを作りだしていますが、2015年の出来栄えは特に素晴らしく、シャトー・マルゴー特有のエレガンスな味わいや、優雅な風味と香り、さらに長期熟成によって滑らかな舌触りを実現しています。
その味わいが官能的とさえ言えるのは、シャトー・マルゴーならではでしょう。