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■世界一有名な赤ワインといえばシャトー・マルゴー
世界一有名な赤ワインとして知られているのが、フランスはボルドーに近い、メドック地区で作られるシャトー・マルゴーでしょう。
シャトー・マルゴーとは、かの有名なフランスの二大ワイン産地として知られるボルドーとブルゴーニュの内、はボルドーワインを作り出す多くのシャトーの中の一つであり、そのシャトーであるマルゴーが作り出すワインの名前でもあります。
ボルドーワインはしばしば「ワインの女王」という表現がされますが、その中でも「最も女性的なワイン」と称されるのが、シャトー・マルゴーのワインの特徴と言っていいでしょう。
世界で最も高い名声を誇るワインとして、ワイン通ならその名を知らぬものはいないといっても過言ではないほど有名なワインですが、ワイン初心者にとっては、女性的な味わいのワインと言われても、一体どのような味なのか、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。

■ワインにしばしば用いられる男性的、女性的という表現
ワインはしばしば、その味わいを例えるための表現として男性的だとか、女性的だとかいった言い方をすることがあります。
シャトー・マルゴーの場合、ワインの女王や、最も女性的なワインと称されることから、味の比喩として女性寄りであるワインだということが分かりますが、一体何が女性的なのかが気になります。
もっともわかりやすく言うとすれば、熟成期間が長いことです。
熟成期間が長くなることによって、香りはより豊潤さを増し、味わいは繊細かつ複雑になっていきます。
さらに口当たりが柔らかで豊かな印象を与えることから、シャトー・マルゴーは女性的であると表現されるわけです。
ただ、ワインにあまり詳しくない人は、比較対象として男性的とされるワインと飲み比べをしてみるのが、一番わかりやすいと言えます。

■年月の移り変わりとともに味わいを変えてきたシャトー・マルゴー
もともとシャトー・マルゴーはカベルネ・ソーヴィニヨンを75%とし、そこにメルローを20%、さらにプティ・ヴェルドとカベルネ・フランを5%という比率を基本的なブレンドにしていました。
けれど、2000年頃からは少し傾向が変わってきて、カベルネ・ソーヴィニヨンを86%まで引き上げ、メルローの割合を落としています。
その理由は、シャトー・マルゴーが求めるエレガンスさをより強く実現させるには、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を引き上げ、代わりにメルローの比率を引き下げることで実現するからです。
そのため、2000年以降のシャトー・マルゴーにはずっと当たり年が続くという現象が起こっており、まさに人気はうなぎのぼりといった感じです。
その結果、ヴィンテージワインとなったシャトー・マルゴーは値段が高く、なかなか手が出ない高級品となっていますので、セカンドラベルを狙うなどするのもいいかもしれません。

■2013年は一転苦労した年
2000年以降、2010年頃まではシャトー・マルゴーの当たり年がずっと続き、高品質のワインが作られ続けましたが、2013年は打って変わって天候が不順だったため、ブドウの収穫にてこずりました。
そのため、シャトー・マルゴーのヴィンテージの中では2013年の物は比較的安価な値段となっていますが、そのてこずった年にあってもヴィンテージワインを作り出す力を持っているのが、シャトー・マルゴーのすごいところです。
手に入れやすい価格になったことから、逆に手に入れにくい状況にもなってしまっているところは、シャトー・マルゴーがいかに人気のあるワインであるかということがよく分かるといえるでしょう。
カベルネ・ソーヴィニヨンの比率を引き上げたことによって、優美さの中に力強さの比率を上げた新しいシャトー・マルゴーは、変化を遂げていく中でもワイン通のハートをぎゅっとつかんで離さない、上質なワインを作り出すシャトーであることに変わりはないといえます。