お酒買取なら大阪のネオプライス

明治生まれの創業者の思いは途切れることなく次の時代へ

■明治から大正・昭和を生きたウイスキーの父
ニッカウヰスキー創業者である竹鶴政孝は、1894年（明治27年）6月20日、現在の広島県竹原市に生まれました。
本場のウイスキーづくりを学ぶために24歳という若さでたった一人、何のツテも持たずにスコットランドへ行き、ウイスキーづくりのすべてを学び取ってきた政孝は、大正時代を青年らしい情熱と気迫でウイスキーづくりに没頭します。
昭和9年に自らウイスキーを造るため、余市に蒸留所を建設しますが、最初はリンゴジュースからのスタートでした。
念願のウイスキーづくりを始めてからも、戦中、戦後の混沌とした状況の中で可能な限りよいウイスキーを造り続けようとしたそのこだわりは、3つの時代にまたがって生きたその生涯のすべてをウイスキーづくりに捧げた、まさにウイスキーの父の姿です。

■生涯の伴侶と子供
スコットランドにウイスキーづくりを学びに行った政孝は、そこで運命の出会いとも言える女性と巡り会います。
帰国する政孝とともに日本に渡り、生涯を政孝とともに添い遂げたスコットランド人女性、リタです。
深い愛情と固い絆で結ばれたリタとの結婚生活は、波乱万丈のウイスキーづくりと会社経営を迫られる政孝の人生で、唯一安らげるひとときだったのでしょう。
毎日夕食後には2人で、ウイスキーを飲み交わしながら話をしていたと伝わっています。
政孝とリタの間には子供ができなかったため、甥の威（たけし）を養子に迎えます。
竹鶴政孝の子として余市蒸留所に次ぐ2つ目の蒸留所を造った威（たけし）は、2代目マスターブレンダーでもある威は竹鶴姓を継ぐ者として、政孝の偉業を引き継ぐ重責をしっかりとこなしたのです。
リタ、政孝、そして威という、ニッカウヰスキーの歴史を語るになくてはならない人たちは、今頃はそろって天国でニッカのウイスキーを飲み交わしていることでしょう。

■時代を駆け抜けた政孝
並々ならぬ気迫と体当たり精神によって、何のツテもなく、頼る人もいないスコッチウイスキーの産地に単身乗り込み、本物のウイスキーを造る方法を学び取ってきた政孝は、こだわりの人でした。
本物のウイスキーを造りたいという気持ちもさることながら、摂津酒造に入社してわずか1年、本人いわく「こんな若造」を信頼してスコットランドへ送り込んでくれた阿部喜兵衛社長に対して、人として心に突き刺さるような感動を覚えたと語っています。
政孝はこだわりの強さゆえにしばしば頑固者という捉え方もされますが、人としてどのように生きるかを常に考えていた人でもあったのです。
ニッカウヰスキーは戦時において軍への供用のためのウイスキーを造ったこともあって、戦時中も比較的安定した操業を行えたのは幸運でした。
ところが戦後にウイスキーメーカーがこぞって安い原料で造れる三級ウイスキーで稼いでいるとき、政孝のこだわりがまたも周囲を困らせます。
三級ウイスキーにはたったの5％の原酒しか入れることができず、政孝にとってはたった5％で何がウイスキーかという思いがあったのでしょう。
「わしゃ、三級は絶対に造らん」とかたくなに拒否したのです。
そんな政孝に、会社存続のためにはやむを得まいと株主たちがそろって説得したところ、しぶしぶ造ることに同意したと言います。
大事な人たちの話には耳を貸すというところが、竹鶴政孝が人とのつながりを重んじたことを物語るエピソードです。

■2000年へ新たなニッカ
NIKKA（ニッカ） 二千年祭 アニバーサリーブレンド 20年は、ミレニアム2000年の記念として造られたモルトとグレーンの2種類の原酒をブレンデッドしています。
20年の名の通り、どちらの原酒も20年以上かけて貯蔵したものが使用されており、ミレニアムを祝うにふさわしいウイスキーです。
長期間熟成されたウイスキーだからこそ出せる豊かな味わいとコク、華やかな香りが堪能できるニッカの真骨頂がギュッと凝縮された逸品になりました。
ラベルも印象的で、源氏物語絵巻二十四帖から胡蝶を題材にした絵柄となっていて、見た目の華やかさも抜きんでています。