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芳醇な香りと熟成が生み出すクリアな味わいが魅力のスーパーニッカクリア

■豊かな香りと味わいが堪能できるウイスキー

「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」は1999年9月から2003年3月にかけて販売されていたブレンデッドウイスキーで、現在は終売品となっています。
10年以上の期間にわたって長期熟成させたモルトウイスキーと、低濃度熟成のグレーンウイスキーをブレンドしたことで、香りとキレのあるウイスキーに仕上がりました。
一口含めば口の中いっぱいに華やかで甘い香りが漂い、長期熟成によって育まれた樽の熟成香が香り立ちます。
口当たりはとてもなめらかで、透明感のある味わいはまさにクリアと呼ぶにふさしい仕上がりです。
「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」はアルコール度数が40度で、甘すぎずスッキリとした軽快な後味となっています。
そのため家庭料理にもよく合い、毎日でも飲みたいと思わせる味わいが堪能できる魅力的なブレンデッドウイスキーです。

■ウイスキーが売れなかった頃に誕生した隠れた逸品

「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」が発売された1999年頃は、日本国内でウイスキーが売れなかった時代でした。
「ウイスキー受難の時代」とも呼ばれ、ウイスキーを製造する会社ではどこもウイスキーやモルト原酒を抱えて困窮していたのです。
2000年には20年もの期間長期熟成したモルト原酒を約400樽も持っていながら、操業停止に追い込まれた東亜酒造の羽生蒸溜所や、ウイスキーの製造を2000年で終了した軽井沢蒸溜所など、まさにウイスキー業界にとっては大変厳しい時代が続いていました。
そんな中「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」が2003年まで発売を続けることができたのは、ウイスキーの品質の高さが背景にあったと考えられます。
ニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝は、どれだけウイスキーが売れなくても品質を下げることだけは絶対に許しませんでした。
それを証拠に「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」には原酒を贅沢に使用していることを示す豊かな香りと味わいが活きており、まさにウイスキー受難の時代の隠れた逸品と言っても過言ではありません。
クリアながらも余市蒸溜所ならではのモルトの味わいと香りが活きており、クセがないのに熟成感がしっかりと楽しめる仕上がりはニッカウヰスキーの実力を証明するかのようです。

■初代スーパーニッカは愛妻に捧げるウイスキーとして誕生

「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」はニッカウヰスキーのスーパーニッカシリーズの中の一つで、終売品と現行品を合わせるとかなりの種類がこれまでに販売されてきました。
「初代スーパーニッカ」が発売されたのは1962年のことで、1970年まで販売されたニッカウヰスキーの創業者・竹鶴政孝自らが生み出した愛妻・リタに捧げたウイスキーです。
余市蒸溜所の研究室とモルト原酒の貯蔵庫にこもりきりになってさまざまなモルトを組み合わせていた政孝は、リタが亡くなった翌年にスーパーニッカを完成させました。
ニッカウヰスキーの初代マスターブレンダーの政孝と2代目マスターブレンダーの息子・威（たけし）氏の共作ですが、政孝のリタへの感謝と愛情が詰まった一本でした。
「スーパーニッカ （Super Nikka） クリア」が発売される1999年8月までの間には、「スーパーニッカ五輪ボトル」や「新スーパーニッカ」、「スーパーニッカやわらかブレンド」（1994年5月発売、1998年12月終売）などさまざまな銘柄が登場しています。
2019年7月時点での現行品は、「新スーパーニッカ700ml瓶」と「新スーパーニッカ500ml瓶」、「新スーパーニッカ50mlミニチュア瓶」に「新スーパーニッカ＆ウォーター300ml瓶」の4つです。
政孝が造った「スーパーニッカ」とはブレンドが大きく異なっていますが、いまも多くのニッカウヰスキーファンに愛され続けているシリーズであることに変わりはありません。