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8年以上の歳月が生み出した円熟味あふれる味わい深い逸品

■ニッカウヰスキーファンに愛されている銘酒

「ブラックニッカ 8年」は北海道工場余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所で蒸溜されたモルトウイスキーを、スコッチ・ウイスキーの伝統製法であるカフェ式連続蒸溜器で蒸溜されたグレーンウイスキーとブレンドしたブレンデッドウイスキーとなっています。
「ブラックニッカ 8年」の銘柄名からもわかるように、モルト原酒とカフェグレーンの両方が8年以上樽熟成されているのが特徴です。
8年以上の期間をかけて熟成されたモルトウイスキーとグレーンウイスキーのそれぞれの個性を引き出しつつ、ブレンドすることによって芳醇でコクのある味わいのウイスキーとなりました。
また長期熟成にもかかわらず口当たりの良さと飲みやすさ抜群のウイスキーとなっています。
樽熟成ならではのフルーティーな熟成香と円熟味豊かな味わいが堪能できる銘酒です。

■ウイスキーファンを魅力する8年熟成の香り

「ブラックニッカ 8年」は2002年（平成14年）に発売された銘柄で、2015年（平成27年）8月31日に終売となりました。
琥珀色よりも淡い色合いの茶褐色をしているのが特徴で、栓を開けると華やかな香りが優雅に漂ってきます。
ピート香はやわらかめで、バターロールやソフトクッキーを思わせる粉の香りも感じられます。
アルコール度数は40度ですが、刺激臭はそれほど強くありません。
シェリー樽由来の柑橘系のフルーツと新樽由来のウッディな香りが溶け合い、フレッシュさと熟成感が絶妙なバランスを醸し出しています。
またスコッチ・ウイスキーならではのスモーキーな香りも健在で、大麦麦芽の香ばしくて甘みのある香りが生きた仕上がりです。
ストレートで味わえばそれぞれの香りが個性を放ち、8年の熟成によって誕生した「ブラックニッカ 8年」のバランスの取れた香りが最も良く味わえます。
ウイスキー愛飲家だけでなく、ウイスキーに馴染みがないという方にも気に入るに違いない芳醇で豊かな香りです。

■8年にわたる熟成が生み出す深い味わい

「ブラックニッカ 8年」を一口含めば、その瞬間に口の中いっぱいにモルトの甘みが広がります。
オレンジのさわやかな甘酸っぱさと蜂蜜のまろやかな甘み、煮た小豆の甘さに少しのタンニンの渋みが絡まった味わいが、円熟味を増したモルトの味わいが最初に訪れます。
その後にはカフェグレーンならではのバニラの風味と樽が醸し出すビターチョコレートを思わせるビター感が、ピート香と樽香と絶妙にマッチしています。
シェリー樽由来らしいフルーティーなモルトに、なめらかで口当たりの良さを生み出すカフェグレーンの魅力が目いっぱい詰まっているまさに秀逸品です。
余韻が比較的短めとなっているため、まろやかな飲み口がついついグラスを運ぶ回数を早めてしまうに違いありません。

■美味しさを引き立たせる飲み方

終売品となってしまった「ブラックニッカ 8年」ですから、できるだけ美味しく味わいたいと思うのは自然なことではないでしょうか。
ですが「ブラックニッカ 8年」にはこの飲み方が一番というものはなく、むしろどんな飲み方をしてもそれぞれの美味しさを堪能することができるといえます。
ウイスキー好きにはやはりストレートでいただくのがおすすめで、シェリー樽由来のフルーティーさとスコッチ・ウイスキーならではスモーキーなピート香を最も強く感じられることでしょう。
ビターな味わいとモルトの甘みが味わいに深みを持たせ、8年熟成の旨味が堪能できるのは間違いありません。
「ブラックニッカ 8年」にほんの数的加水をすることで、ストレートとは違った香りが感じられるから不思議です。
新たに加わる香りにはオイリーさが加わり、醤油味のせんべいのような香ばしい香りも漂ってきます。
味わいは樽由来のビター感はそのままに、オレンジやマンゴー、パイナップルなどの柑橘系特有の甘酸っぱい風味が楽しめるようになるのが特徴です。
ロックでは適度なアルコールの刺激が美味しさを引き立たせてくれますので、飲み比べをして好みのスタイルを探してみてはいかがでしょう。