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カナディアンウイスキーの代表シーグラムファイブスター

■世界5大ウイスキーの一つカナディアンウイスキー
日本ではウイスキーの産地として5つの地域が有名です。
スコットランド、アイルランド、アメリカ、カナダ、そして日本です。
歴史的にはスコットランドやアイルランドが古くからウイスキーを造り始めたとされており、日本は一番遅くウイスキーを造り始めた国として知られています。
そして、日本よりも若干早くにウイスキーを造り始めたのがカナダです。
カナダはもともとイギリスの植民地でした。
イギリスから技術を輸入してきたイギリス人たちが、最初にアメリカでウイスキーを造り始め、その後カナダでも開発を始めたのです。
初めの頃はアメリカで造られるウイスキーに比べ、粗悪なものが出回ることが多かったのですが、アメリカで禁酒法が通過するようになると需要が格段に伸びるようになりました。
そのせいもあってカナダのウイスキーは質が良くなっていき、世界でも名の知れた製品として流通するようになったのです。

■密輸酒として知られていたカナディアンウイスキー
アメリカの北部とカナダの南部は定期的に行き来ができるほど近く、20世紀の前半は友人の家に行くついでにカナダで売られているお酒を密輸する、という人もいるくらいでした。
そのため一時期は密輸品を意味するbootlegという言葉が、そのままカナディアンウイスキーを意味することもあったそうです。
禁酒法が適用されていた当時、アメリカではお酒が造れませんでした。
これはウイスキーにとっては致命的なことで、長い間熟成してこそウイスキーの味わいは深まっていきますから、たとえ禁酒法が破棄されてもすぐには商品として売り出せません。
そのため、お酒の販売が解禁されて以降もアメリカ産のウイスキーが流通することはなく、代わってカナディアンウイスキーが主流を占めるようになっていったのです。
そしてアメリカ人の味覚は次第にカナディアンウイスキーの味になじんでいき、20世紀中盤以降も定番の商品として定着するのでした。

■カナディアンウイスキーの特徴
もともとカナダでは地元でとれるライ麦を蒸留してウイスキーを造るのが盛んでした。
とはいえ、ライ麦だけで造るウイスキーは味のクセが非常に強く、そのあたりが当時の人々の味覚に合わなかった理由ともされています。
カナダが独立してイギリスの統治下から離れてもウイスキーの製造法自体は変わらなかったのですが、その後徐々に技術が進化していくようになると、カナディアンウイスキーの製造法も変わっていきます。
特に決定的な変化をもたらしたのはトウモロコシを混ぜ込む製造法でした。
一見するとライ麦にトウモロコシを混ぜるというのは余分な味を混ぜるようで邪道とも言えるかもしれませんが、トウモロコシの甘みがライ麦のクセのある味を抑えることもできます。
これによってカナダで造られるウイスキーは格段においしくなり、幅広く飲まれるようになっていったのです。
こうした観点から、今回紹介するシーグラムファイブスターはカナディアンウイスキーの伝統にのっとったウイスキーということができるでしょう。

■シーグラムファイブスターの魅力
シーグラムファイブスターは、ライ麦を使って造られるウイスキーです。
ライウイスキーというと、麦特有の苦みがもたらすピリッとした味が特徴ではあります。
そして、シーグラムファイブスターもやはりそうした味わいを特長としています。
しかしながら、良く味わってみると舌のあたりにほんのりとした甘みが感じられてくるでしょう。
それもそのはずで、こちらのお酒にも先ほど述べた通りトウモロコシを若干混ぜ込んでいるからです。
トウモロコシの配分が多すぎるとピリッとした味わいが損なわれてしまいますし、逆に少なすぎると苦みが勝ってしまっておいしいウイスキーはできません。
シーグラムファイブスターはその独特なバランスを上手く見極めて造られたウイスキーなのです。
チーズやデザートなどとともに飲むとその味わいは一層深まっていくことでしょう。