お酒買取なら大阪のネオプライス

比類なきシャンパーニュと呼ばれる理由

■クリュッグに様々な形容詞が付けられる理由とは
フランスの北部地方にあるランスというところにあるのが、世界的に知られるシャンパーニュメゾンのクリュッグです。
1843年、ドイツ移民であるヨハン・ヨーゼフ・クリュッグ氏がこの地にメゾンを作ってから、今日に至るまで6代の当主が誕生し、全て親から子へとメゾンが受け継がれてきました。
長きにわたってメゾンを維持するには、時代に合った変化をうまく取り入れてきたのだろうと思いきや、創始者が書き残したクリュッグ哲学によって、クリュッグは未だに伝統的な製法を守ってシャンパンを作り続けています。
ただし、創始者が残したクリュッグ哲学を書き留めたノートには、当時のシャンパンメゾンにはない、斬新かつ革新的な発想が記されていました。
その型破りで自由な発想を記したノートを初めて読んだ現当主、6代目のオリヴィエ・クリュッグ氏は、創始者に対して深い敬慕の念を抱いたといいますから、ぜひともその内容が知りたいものです。
そんなクリュッグには熱狂的なファンが多いことも有名で、クリュッグしか飲まないという人のことをクリュギストと呼ぶことはよく知られています。
世界中で開かれる最も大事な宴で、クリュッグのシャンパンが用いられることは非常に多く、英国王室御用達となっていることから、チャールズ皇太子と故ダイアナ元妃の結婚式の晩餐会でも用いられました。
また、エリザベス女王もクリュッグのシャンパンが大のお気に入りだと言われますし、他の著名人にもクリュギストは多く、ココ・シャネルやアーネスト・ヘミングウェイ、マリア・カラスといった錚々たる顔ぶれが揃っています。
こうした人たちを虜にするシャンパーニュを生み出し続けるクリュッグですから、創始者がノートに書いていたことは時代が変わっても人々に支持され、受け入れられるシャンパン造りの極意が書かれていたのでしょう。

■クリュッグを大きく二分する製造法
第二次世界大戦後、クリュッグはアッサンブラージュという製造方法でシャンパーニュを作るようになります。
その代表がグランド・キュヴェで、250を超える原酒から選び出したワインを1000回以上のテイスティングによってブレンドするという、神業というよりは執念のシャンパーニュ作りといった製造法です。
これは、創始者が譲らなかった伝統の製法が今も続いているからこそできる方法で、これこそがクリュッグのシャンパーニュの神髄であり、芸術だという人もいます。
一方で、アッサンブラージュとは全く正反対の作り方がされるシャンパーニュもあります。
とことんまで純粋性を追求して作り出すシャンパーニュで、こだわるのは単一区画、単一品種、単一年です。
当然のことながらたくさんは作れず、希少なシャンパンとなりますが、このシャンパーニュを作りに挑んだのが、5代目当主のアンリとレミ・クリュッグです。
このシャンパーニュの原料となるブドウは、シャンパーニュ地方でも上質のピノノワールが育つとされるアンボネ村です。
クロと呼ばれる石垣に囲まれた畑で穫れたピノノワールだけを使って、その神髄を表現したシャンパン作りが始まりました。

■稀少価値が高いクリュッグのシャンパーニュ
こうして生まれたのがクリュッグクロダンボネで、このシャンパーニュに使われているピノノワールは、わずか0.6haという狭い場所で収穫されたブドウだけです。
ほんの少ししか得られないブドウを使って作られていることからいっても、このシャンパーニュがいかに稀少価値が高いかが分かります。
中でもクリュッグクロダンボネ1996は、1996年のブドウが新鮮さを保ちつつも、非常に熟成して育つというシャンパーニュ地方において歴史に残る素晴らしいブドウが育った年に作られた点が大きな特徴です。
アッサンブラージュで高い評価を得ているクリュッグがピノノワールだけで生み出したシャンパーニュは、アッサンブラージュに惚れ込んでいるクリュギストにとっても、一度は飲んでみたい逸品に違いありません。