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黒龍酒造株式会社を語る上で欠かせない水への思い

■日本酒の出来を左右する要素とは
どの酒造会社もそれぞれにこだわりを持っているのが、日本酒造りにおいてその出来を左右する要素が米と水であり、これをどこで見つけるかということでしょう。
214年前に創業した黒龍酒造株式会社は、創業者の石田屋仁左衛門が永平寺の近くにある松岡という場所を選び、その歴史を刻み始めました。
石田屋仁左衛門も銘酒を造るには名水が欠かせないことは当然知っていたため、酒蔵を九頭竜川の近くに求めたのです。

■九頭竜川とはどんな川なのか
九頭竜川は福井県内を流れる、もっとも大きな川で清らかで澄み切った水が流れることから、アユやサクラマスが育っています。
そのため、これらを狙って多くの釣り人が集まる釣り場としても人気です。
なぜ九頭竜川がこれほどまでに美しい水をたたえているかというと、霊峰と呼ばれる白山山系の雪どけ水が、長い年月のうちに山で自然のろ過を経て、再び名水として湧き出てくるからです。
この名水が近くを流れる九頭竜川に流れ込むことから清澄な水が流れる川となり、アユやサクラマスも名水であることを良く知っていて、たくさん集まってきます。
酒造りに欠かせない名水を手に入れる条件が整っていたことが、松岡という小さな町に最盛期には17もの酒蔵があったことを如実に物語っています。
山から大地へと自然のフィルターを通して生まれた九頭竜川の伏流水は、軟水と呼ばれるやわらかい水であるのが特徴です。
このやわらかい水が、黒龍酒造株式会社が造る上質の酒・黒龍に、きれいさとふくらみのある味わいを吟醸酒に与えているのです。
そのため、黒龍酒造株式会社はこの地に根を下ろし、214年、7代にわたって酒蔵を守り続けてきました。

■酒の味を左右するもう一つの素材
名水が手に入ったら、次はお米です。
日本酒はお米から造るお酒ですが、米の品種によって味わいが大きく異なります。
黒龍酒造株式会社は米に徹底的にこだわる日本全国の11の蔵元とともに、フロンティア東条21を結成します。
東条の名は、酒造好適米として全国的に有名な山田錦の生産地であり、特A地区にランクされる兵庫県の田園地帯が東条区と呼ばれていることにちなんで名付けました。
地元の福井県には、福井県大野産の五百万石が酒造りに適したお米として知られ、黒龍酒造株式会社では主にこの二つの米を使い分けています。
東条の米はもっと広くこのお米の良さを知ってもらいたいという思いから、地元産の五百万石は、地元ならではの名水との相性の良さから選び分け、丁寧に磨き上げて、それぞれが最高のパフォーマンスを発揮する酒へと造り上げていきます。

■創業以来変わらぬシンプルさ
こうして黒龍酒造株式会社の歴史をひも解くと、名水を見つけ、さらに酒造りに適した米を探し、両方が揃ってこそ初めて酒造りに取り掛かるという、創業以来変わらない非常にシンプルな考え方で酒造りを続けてきたことがわかります。
もちろん、214年もの間に様々なことが変わったのは明らかです。
かつては酒蔵に入れ物を持参して酒を買っていたのが、瓶や樽に詰めたものが手軽に買えるようになりました。
さらに物流網の発達によって、地元の人しか飲めなかった地酒の銘酒を、日本全国へと送り出すことができるようにもなったのです。
黒龍酒造株式会社も、現代にそった効率的なやり方を採り入れてきたでしょうが、名水と酒の好適米にこだわるという酒造りの原点は決して変えることなく214年にわたって続けてきました。
その理由は、原材料が良ければ、後は杜氏の腕次第でおいしい酒になるという確信があったと言えそうです。

■毎日飲みたい黒龍酒造株式会社の逸品
九頭龍 逸品は、黒龍に比べると比較的リーズナブルに楽しめるラインナップである九頭龍の中でも、燗して良し、冷やして良しという、抜群の旨さが逸品の名を物語っています。
やわらかな味わいと爽やかな酔い心地が楽しめることから、飲み飽きることなく飲めるお酒として毎日の晩酌にピッタリです。