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多くのこだわりを持った職人たちによるコニャック造り

■レミーマルタンが誕生するまで
世界にその名をはせるブランデーメーカー・レミーマルタンは、創業者となるエミール・レミー・マルタンがフランスのルイヤックと呼ばれるところで1695年に生まれたところから、その歴史が始まるといっていいでしょう。
生まれた家はワイナリーで、父がブドウの栽培からワインの製造を行っており、幼い頃から父の手伝いを積極的に行っていたことがレミーマルタンの歴史に残っています。
幼いうちは何もわからず手伝う中で自然に覚えたこともあったでしょうが、成長しながらエミールはワイン造りというものを理解していきます。
また、生まれつき野心家の性格を持っていたようで、30歳になった時には父の小さなワイナリーはエミールが運営し、広大な土地を所有するまでになっていたのです。
ワイン製造は続ける傍ら、エミールはブランデー製造にも乗り出します。
そしてワインではなくブランデーメーカーとして、レミーマルタンを誕生させたのが1724年のことでした。

■レミーマルタンの歴史を作っていった職人たち
広大な土地がすでにあり、さらにブドウの栽培や収穫に関する勉強もまったく必要なかったことから、エミールはすぐさまブランデー製造に取り掛かります。
レミーマルタンは親から子へと引き継ぐ世襲制度を採っていますが、その際に守るべきルールはただ一つ、現代化しない、効率を上げないということだと言いますから、驚きです。
世界にその名をはせるブランデーメーカーだけに、さぞかし時代の最先端を採り入れて成長してきたと思われがちですが、実はまったく正反対だったのです。
コニャックと認められるには、定められた蒸留方法や熟成の仕方が求められますが、レミーマルタンでは創業以来変わらぬ伝統的な方法で蒸留を行っています。
リーズと呼ばれるブドウの発酵時点で生まれる澱は、通常ならば取り除いて次の段階である蒸留に移るのですが、レミーマルタンではあえてリーズを残すリーズ蒸留法を今でも続けています。
リーズを残すことでアミノ酸を残した状態で蒸留酒が出来上がり、これを熟成のために樽に入れると、リーズを取り除いたものに比べて、はるかに豊かなコクを生み出すのです。
この蒸留法が伝統的と呼ばれることからもわかるように、正直なところ手間がかかります。
面倒でもありますが、これこそがレミーマルタンのコニャックが他のコニャックとは違う味わいになる最大の理由だとして、職人たちが他の簡単な方法には見向きもせずに294年の歳月が流れたのは、非常に素晴らしいと言えます。

■地質にも職人のこだわりの歴史があった
レミーマルタンでは19世紀後半に地質に着目し、地質学者に調べさせたという話が歴史に残っています。
何を調べさせたかというと、より素晴らしいブドウが育つ地質はどこにあるのかです。
これによってブドウの栽培地であるクリュに付けられる6等級のうち、レミーマルタンでは最上級のグランド・シャンパーニュと、これに次ぐプティット・シャンパーニュの畑だけでブドウの栽培を行い、収穫しています。
これらクリュの等級はシャンパーニュ地方のシャンパーニュ造りや、ワイン造りの際にも用いられる地質学者が定めた等級制度ですが、そのうち上位二つしか使わないという徹底ぶりが、レミーマルタンのコニャックを最高級コニャックであるフィーネシャンパーニュ・コニャックを名乗れる理由です。
この二つのクリュから採れたブドウで造ったコニャックでなければ、フィーネシャンパーニュ・コニャックと名乗ることはできないことから、地質学者の調査結果を受け、ブドウ栽培の担当の人たちはこの場所で最上級のブドウの栽培に奮闘したのです。
ここにも、レミーマルタンの長い歴史を語る上で欠かすことのできない歴史が存在しています。

■コニャックの最高峰とクリスタルガラスの最高峰が作り上げた逸品
レミーマルタン エクセレンス バカラの最大の特徴は、クリスタル製のデキャンタボトルを採用していることです。
しかも、そのクリスタルは世界最高峰と呼ばれるバカラ社が作ったもので、これだけでもレミーマルタンのすごさがわかります。
このコニャックに込められた思いはコニャックを語るコニャックで、平均熟成酒齢20年のオードヴィと呼ばれる原酒を使って造られました。
レミーマルタンの上質のコニャックと、美しいボトルのコラボレーションが心ゆくまで楽しめる逸品です。