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■人気の中で販売終了した希少品
サントリーシングルモルト山崎１０年は近年のハイボールブームなどで若い方や、これまでウイスキーを飲まなかった方の間でもウイスキーブームが広がり、原酒が不足して残念ながら既に販売終了している商品です。
そのため、既に流通しているものや購入して家にある方、バーなどで保有している分しかないので、飲める機会は希少といえます。
ウイスキーは基本的に賞味期限がなく、保存状態が良ければ長く楽しむことができますので、販売終了になっても市場のどこかで手に入る可能性は残されています。
サントリーシングルモルト山崎１０年は１０年以上熟成された原酒から作り出されたものです。
そのため、今後も10年熟成ものが新たにリリースされる可能性は残されていますが、現在もハイボールが続いており、ウイスキーの魅力を新たに知って購入する人も増えているため、サントリーでは原酒不足に悩まされ、代表的な銘柄が続々と販売終了に追い込まれている現状があります。
ウイスキーは仕込んで直ぐに出来上がるものではなく、熟成期間が必要なため、10年ものなら10年前に仕込まれている原酒がなくてはなりません。
その原酒もさらに熟成させて12年もの、21年ものの原酒に利用されることもあるため、10年以上熟成された樽があっても、商品化されるとは限らないため、サントリーシングルモルト山崎１０年を飲みたいのであれば、現在、販売店やバーなどに残されているものを探すしかないでしょう。

■本場スコットランド人も認める山崎の特徴と技術の伝承
山崎の魅力として挙げられるのは類い稀なフルーティーさ、とてもソフトなテクスチャーと、口に含んだ時に感じる心地よい柔らかさです。
多様な原酒を絶妙にブレンディングする技術はまさに芸術的ともいわれており、ウイスキーの本場であるスコットランド人からも高い評価を得ており、山﨑蒸留所には本場スコットランドの職人たちが視察に訪れるほどになっています。
1923年に山﨑蒸留所が開設されましたが、ウイスキー造りを日本で行うにあたって、創業者である鳥井信治郎はスコットランドから大量の文献を取り寄せて読み漁り、ウイスキー造りの知識や技術を学んだと言われています。
世界に認められるウイスキーを造りたいと、その当時から鳥井信治郎は夢を抱いていたと言われていますが、それが現実化しただけでなく、スコットランドからも山﨑蒸留所に学びにくる時代が訪れるとは想像できたでしょうか。
芸術的とも称されるまでの高度なブレンド技術は鳥井信治郎から二代目マスターブレンダーの佐治敬三、三代目マスターブレンダーの鳥井信吾へと受け継がれ、彼らのもとでウイスキーを造りを統括するチーフブレンダーにも脈々と受け継がれ、磨かれ続かれてきました。
その伝統の技術の伝承は技術だけでなく、鳥井信治郎や佐治敬三のウイスキー造りへの想いや夢をも一緒に受け継がれてきた歴史でもあります。

■山崎の魅力と販売終了の背景
山崎はスコットランド人も称賛してやまない華やかなフルーティーさやソフトな飲み心地と柔らかさが特徴であるため、ウイスキー初心者にとっても飲みやすいといえます。
ウイスキーは熟成が進むにつれて円熟味が増し、奥深い味わいになる一方で、人によっては独特の芳香にクセを感じたり、凝縮されてアルコールが強く感じてしまうケースもあります。
そのため、初心者の方には10年程度のものが比較的飲みやすく、かつ、お値段的にも手に入りやすいといったメリットがあります。
近年のハイボールブームで初めてウイスキーの美味しさを知った方が、ウイスキーをハイボールだけでなく、水割りやストレートでも飲んでみたいと思った時に手にしやすかったのがサントリーシングルモルト山崎１０年ということが推測されます。
近年のウイスキーブームで初心者をはじめ、手ごろな価格で手に入れたいと考えた方の需要が増え、残念ながら原酒の在庫がなくなり終売を迎えたともいえるでしょう。