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■創業100周年の特別限定品
サントリーシングルモルト山崎２５年 リミテッドエディションは1999年のサントリー創業100周年に先立ち、1998年秋に発売されたシングルモルト山崎の特別限定品です。
山崎蒸溜所の酒齢25年を超える長期熟成モルト原酒の樽をチーフブレンダーが選び抜き、創業時から続くウイスキー造りへの想いと情熱、脈々と受け継がれてきた伝統の技を駆使し、丹精をこめて丁寧にヴァッティングされた特別なシングルモルトです。
年間生産本数1200本とわずかしか造ることができない、お値段的にも高価格の高級ウイスキーとなっています。
シェリー樽由来の甘美な芳香が華やかに香りたち、まさに芳醇の極致といっても過言ではありません。
円熟味が増し、長期熟成ならではの甘みのある木香とほのかな苦みが織りなす複雑かつ奥行きのある重厚な味わいを楽しむ
舌に残る複雑な香味と芳醇な香りが、長く快いアフターテイストとして、深い余韻を醸し出してくれます。

■山崎誕生までの歴史
山﨑蒸留所は1923年にサントリー創業者である鳥井信治郎によって、京都郊外の山崎の地に開設されました。
山崎が選ばれたのはウイスキー造りに最適な名水と、日本の風土を具現化したような四季の移ろいがしっかり感じられる自然環境があったためです。
日本人の感性に見合い世界にも認められるウイスキーを造りたいという熱い思いを込めての船出でした。
国産ウイスキーとして日本に最初のブームが生まれたのは戦前のことでしたが、その後、戦争が起こり、戦後は高級ウイスキーには手が届かない貧しい時代が訪れます。
戦後復興の中で人々を勇気付けたいと低価格でも買える、モルト原酒の比率を下げたブレンテッドウイスキーを誕生させ、新たなウイスキーブームを巻き起こしたのもサントリーの歴史であり、鳥井信治郎の次男である佐治敬三の発案だったと言われています。
佐治敬三が鳥井信治郎の想いを受け継いで二代マスターブレンダーとなってから、彼はウイスキー業界の未来を見据えて1980年代にある考えに至ります。
それは日本初のモルト原酒100％ウイスキーを誕生させることでした。
当時、シングルモルトは一部のウイスキー愛好家にしか飲まれておらず、ブレンテッドウイスキーが全盛期の時代でした。
その時代にシングルモルトを発売するのは冒険的なチャレンジでもあったのです。
シングルモルトは水や気候などの蒸留所の環境から職人の技、想いまでダイレクトに伝わるといわれるウイスキーですが、これからは個性が重んじられる時代になると未来を予見した佐治敬三が、これからの時代のウイスキーとして開発を決めたのです。
そして、生み出されたのがシングルモルト山崎であり、1984年のことでした。

■プレミアムウイスキーブームの到来
最初に発売された山﨑12年がじわじわとウイスキー通の舌を捉えていき、長期熟成のプレミアムウイスキーの時代の幕が開こうとしていました。
佐治敬三の未来予想は見事に的中するとともに、彼が火付け役になったといっても過言ではなく、1990年代に入ると少しずつシングルモルトの認知度が世界的に高まっていきました。
サントリーでは1994年にシングルモルトウイスキー白州12年と響21年、1997年には響30年を続々と誕生させ、佐治敬三が想い描いたプレミアムウイスキーが充実度を増し、21世紀に向けてシングルモルトブームが巻き起こってきたのです。
人々の間でウイスキーの円熟度や熟成年数が意識されるようになった頃、長期熟成の高級プレミアムウイスキーが愛される時代が到来すると踏んだ佐治敬三は新たな挑戦として、長期熟成の最良の原酒のみをブレンドした逸品を造り出すことを決心します。
それがサントリー90周年記念に発売された響17年でした。
そして、1999年、サントリーは創業100周年を迎えることになり、その前祝としてサントリーシングルモルト山崎２５年 リミテッドエディションを発売します。
佐治敬三は100周年記念式典を見届けた後、約7か月後に亡くなっています。
戦後の日本におけるウイスキーブームの歴史を築き上げてきた佐治敬三は、1999年11月3日、80歳を迎えた2日後の文化の日に生涯の幕を閉じました。