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わずか12年で日本を代表するウイスキーとなったイチローズモルト

■甘みとビターが調和した絶妙の味わい
イチローズモルト 23年 カスクストレングス 黒ラベルは、埼玉県秩父市に蒸留所の拠点を置いているベンチャーウイスキー株式会社から販売されているジャパニーズウイスキーです。
埼玉県の羽生蒸留所で蒸留されていたシングルモルト原酒から、ホグスヘッド樽やバーボン樽、そしてシェリー樽などの伝統的な樽で再度熟成させ、最低でも23年以上の酒齢となっている原酒を選りすぐってブレンドしているのが特徴です。
アルコール分は58%で、 褐色がかった色合いは濃い目の金色となっています。
ドライフルーツやオレンジピールが奏でるフルーティーさに、熟した果物とメープルシロップが溶け合った複雑な甘みが感じられ、甘さとタンニンのビターな味わいがより一層芳醇さを増しています。
口に含んで飲み干した後は、長く続く味と香りの余韻を楽しむことができる仕上がりです。
イチローズモルト 23年 カスクストレングス 黒ラベルは、数種類の樽から生まれた個性と長所を最大限に引き出した、味のバランスと深みのある香りが融合した逸品となっています。

■手に入れるのが難しいイチローズモルト
埼玉県秩父市にあるイチローズモルトを製造・販売している株式会社ベンチャーウイスキーは、2007年に肥土伊知郎（あくといちろう）が創業者となって誕生したウイスキー会社です。
2007年創業ですのでウイスキーの製造会社としては歴史が浅いのですが、創業者の肥土伊知郎のウイスキー造りにかける情熱と先見の明のおかげで、圧倒的な熱量をまとうイチローズモルトは今や日本を代表するジャパニーズウイスキーとしての立場を確固たるものにしました。
世界に出しても十分通用するほどのその味わいは、ウイスキー好きの間ではすでによく知られた存在となっています。
しかしウイスキー大手のサントリーやニッカには、それぞれ山崎や白州、余市や宮城峡など多くのファンを持つウイスキーが今も健在です。
大手のウイスキー製造会社に比べれば、ベンチャー企業が造れるウイスキーの数など足元にも及びません。
それほど小規模で造られているウイスキーのため、市場に出回る本数も非常に限られてくるのが実情です。
しかし世界に通用するイチローズモルトとはどんなウイスキーなのか、ぜひとも手に入れたいと思っても流通数が少ないために簡単に手に入れることができなくなっています。
それでもイチローズモルトを飲みたいと願う人は後を絶たず、過去に販売された商品は軒並みプレミアム価格となり入手するのは大変困難となっています。

■イチローズモルトが高い品質のウイスキーとなる理由
イチローズモルトを造っている株式会社ベンチャーウイスキーがある埼玉県秩父市の蒸留所は、秩父の市街地から30分ほど車で走ったところにある小高い丘の上に建っています。
この土地の夏の気候は高温多湿で、冬には朝晩の気温が氷点下になるほど寒暖差の厳しい環境となっているのが特徴です。
しかしこの気候はアメリカ・ケンタッキー州と大変似ており、この環境がウイスキーの熟成に大きな影響を与えることになりました。
5大ウイスキーの1つであるアメリカン・ウイスキーは原料の半分以上にトウモロコシが使われ、これがバーボンウイスキーと呼ばれています。
バーボンウイスキーは短期間の熟成でできあがるのが特徴ですが、イチローズモルトはバーボンウイスキーと同じくらいの短い熟成期間となっています。
にもかかわらず、モルトウイスキーのようなフルーティーさと癖のない深い味わいがバランスよく取れているウイスキーとなるのは、この環境が幸いしているからと言っても過言ではありません。
またウイスキー造りに欠かすことができない水についても、埼玉県秩父市は大変水に恵まれた環境となっています。
カルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分を豊富に含む上質の水がウイスキー造りには必須で、イチローズモルトでは天然ミネラルを適度に含んだ軟水である大血川渓谷水系の水を仕込みに使用しています。
ミネラル成分が豊富に含まれたウイスキーは飲んだ時の味わいに癖がなく、ウイスキー独特の引っかかるような感触がなくなるのが特徴です。
イチローズモルトの美味しさは、まさに自然が育んだ水と気候の恩恵をたっぷり受けていることも要因であると言えます。