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蒸溜所の歴史が詰まった1本！ブローラ38年（2016年ボトリング）の歴史

■ブローラ38年とは

ブローラ38年は、スコッチ・ウイスキーの故郷である北ハイランドで誕生した、シングルモルト・ウイスキーです。
ブローラ蒸溜所では、これまでにブローラ38年をはじめ、ウイスキー愛飲家たちの舌を唸らせるウイスキーを数多く製造してきました。
ブローラ蒸溜所のウイスキーは、製造が終了した今日でも高い人気を誇っています。
ブローラ38年の魅力を知るには、ブローラ蒸溜所の歴史を知ることが不可欠ですが、ここでは蒸溜所の歴史とともに、ブローラ38年についてスポットを当ててみます。

■164年の歴史を持つブローラ蒸溜所

ブローラ蒸溜所の歴史は古く、創業したのは1819年です。
創業当時蒸溜所はクラインリッシュ蒸溜所と呼ばれていて、独自の手法でシングルモルトの製造を手掛けていました。
質の良いウイスキーを世に送り出し続けたクラインリッシュ蒸溜所の知名度は徐々に上がり、シングルモルト・ウイスキーの原点とも呼ばれている、ザ・グレンリベット蒸溜所と肩を並べるほどになりました。
1967年に敷地内に新しい蒸溜所が建設されると、クラインリッシュ蒸溜所はブローラ蒸溜所と呼ばれるようになり、『ブローラ』という銘柄のウイスキーを製造し始めました。
ところがブローラ蒸溜所は1983年に閉鎖されてしまい、それと同時にブローラの製造もストップしてしまいます。
こうして旧蒸溜所は、クラインリッシュ蒸溜所として148年、ブローラ蒸溜所として16年、あわせて164年の歴史に幕を閉じました。
ブローラ蒸溜所を所有する英国ディアジオ社は、2020年までに稼働を再開するとしていますが、実現すれば新たな歴史を刻むことになりそうです。

■ブローラはどんなウイスキー？

ブローラは、旧蒸溜所がブローラ蒸溜所と呼ばれていた時代（1967～1983年）に製造されたウイスキーです。
ブローラ蒸溜所では、クラインリッシュ蒸溜所と呼ばれていた時代とは異なる製造方法で蒸溜されていました。
クラインリッシュ蒸溜所時代のシングルモルトは、ノンピート麦芽が原料でした。
ですがブローラ蒸溜所で製造されたブローラは、ピーテッド麦芽（フェノール値30～35ppm）で仕込まれたものを原酒としています。
原酒には寝かせている間、蒸溜ヘッドなどに沈殿物がたまり、ウイスキーとして使用する際は通常取り除かれます。
ですがブローラ蒸溜所では、沈殿物も一緒にボトリングしますので、ほかのウイスキーでは味わえない、粘り気のある口当たりを楽しめます。
ブローラは、オイリーで口にまとわりつくような飲み口と評されることがありますが、それは独自の製造工程からきています。
ブローラ蒸溜所で蒸溜されたウイスキーは、スモーキーな味わいと、ピートの風味を楽しめるという、モルト・ウイスキーを代表する特徴を兼ね揃えていますが、これも多くのウイスキー愛飲家に支持される要因といえるでしょう。

■ウイスキー愛飲家たちを魅了するブローラ38年の特徴

ブローラはシングルモルトとして操業期間が短く、幻のモルトとも呼べる存在です。
ブローラ38年は、1977年にブローラ蒸溜所で蒸溜されたウイスキーを原酒として、2016年にボトリングされました。
これまで発売されたブローラシリーズよりも、熟成期間が一番長いものです。
ディアジオ社のスペシャルシリーズ第15弾として2017年3月に発売されたブローラ38年の価格は、なんと266,800円（小売価格）です。
カスクストレングス（希釈されていないウイスキー）で、ボトリングされたのは2,984本と、希少価値の高いウイスキーであるため、高額になるのも仕方ありません。
ピーティーでスモーキーな味わいに特徴のあるブローラですが、ブローラ38年には、それらの特徴がより力強く表れています。
ウイスキーから放たれるフルーティーで豊かな芳香を鼻と口で感じながら、ゆったりと飲むのがおすすめです。

■上質なバランスの取れた仕上がり

短い操業期間にもかかわらず、多くのウイスキー愛飲家を魅了し続けるブローラ。
中でもブローラ38年は、しっかりとした味わいと、上質でバランスの取れた仕上がりに特徴のあるヴィンテージウイスキーです。
飲みやすいカスクストレングスですが、水を1滴垂らすと、新たな魅力が口の中に広がります。
ブローラ蒸溜所が刻み続けた歴史を感じながら、一口味わってみてはいかがでしょうか。