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歴史の重み、熟成の香りが詰まったオールドパー30年

■古くから愛されてきた、スコッチウイスキーの歴史
スコッチウイスキーは、その名の通りスコットランドが故郷です。
しかし、スコットランドでいつからウイスキーが始まったかは定かになっていません。
しかし、キリスト教とともにアイルランドから伝わった蒸留技術により、少なくとも12～13世紀には製造されていたという記録があります。
ただ、現在のように嗜好品として飲まれていたわけではなく、薬として造られていたようです。
製造していた場所も蒸留所ではなく、修道院だったことからも、特別な飲み物であったことが伺えるでしょう。
民間にウイスキーの蒸留技術が伝わったのは、16世紀のことでした。
宗教革命によって修道院が解散したことがキッカケで、余っていた大麦にも利用価値が見いだされるなどで、一気に広まったようです。
ただし、この時代のウイスキーは熟成の段階を踏んでいないために無色透明で、現在のような琥珀色はしていませんでした。
熟成させるというステップは、奇しくも課税を逃れようと密造されていた時代、樽に入れたまま販売する機会を窺っていた際に偶然発見されたと言われています。
また、石炭の一種、ピートを使った麦芽乾燥も、この時に始まりました。
密造時代も、現代に伝わるウイスキー造りには重要で大切な時間であったと言えるでしょう。

■オールド・パー。
152歳まで生きた農夫の名前が由来！
スコッチウイスキーを語るうえで、オールドパーは欠かせない銘柄の1つです。
創業者はグリーンリース兄弟。
兄弟は、オールドパーが千古不磨のウイスキーとして末永く愛されるように、また飲む人の長寿と繁栄の願いを込め、1483年から1635年まで生き、没年はなんと152歳と伝えられているイギリス史上最長寿の農夫、トーマス・パーに因んだ名前を付けました。
トーマス・パーは、四角い器でワインを飲んでいたため、ボトルも四角いデザインにしたと言われています。
スタンダードなオールドパーに刻まれる、印象的なクラックルパターンは、ボトルがガラスになる以前、陶製だった時代をイメージしており、伝統の重さを物語るようです。
また、クラックルパターンが刻まれているボトルは、斜めに自立する倒れないボトルとして縁起物であると考えられ、日本でも古くから愛されてきました。
そして、オールドパーのラベルにデザインされているのは、チャールズ1世がバロック期を代表する画家、ルーベンスに描かせた肖像画。
オールドパー30年のボトルにも、トーマス・パーの姿が彫られています。

■オールドパーは、日本に初めて伝えられたウイスキー
維新の十傑の1人とされる岩倉具視が1873年、西洋の文化を学び、吸収するためにヨーロッパへ派遣された際、持ち帰ったのがオールドパーだと言われています。
明治天皇への献上品にされるなど、当時としては非常に珍しいお土産でした。
のちに、日本の上流階級では欠かせないお酒となり、吉田茂や田中角など、時代の寵児たちも愛飲していたとされています。
繊細で滑らかな口当たりと芳醇な香りは和食にも良く合い、料亭などでも提供されてきたようです。

■ウイスキー造りの粋と歴史が詰まった、オールドパー30年
非常に古い歴史を持つスコッチウイスキーの中でも、オールドパーはひと際人々に愛され、大切にされてきました。
その歴史と粋の集大成とも言えるのが、オールドパー30年です。
エリザベス女王1世の即位450周年を祝って造られた、まさにスペシャルなスコッチウイスキーで、30年以上の月日が醸し出す芳醇で濃厚な香りにうっとりさせられます。
本物であることを示す証明書が貼付された豪華な木箱の中には、美しくも重厚なクリスタルデキャンタ。
ずっしりとした重さが心地良い、ボトルストッパーが付属しています。
そこに刻まれた、前述のトーマス・パーの肖像画が印象的です。
深い琥珀色を讃えた液体からは、長い歴史を感じることができるでしょう。