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世界に君臨し続ける皇帝のシャンパーニュ

■270年以上の歴史あるシャンパーニュ

「モエ・エ・シャンドン」は1743年からの古い歴史を持つメゾンです。
1748年にはフランス王ルイ15世に認められてフランス王室御用達のシャンパーニュとなり、愛妾のポンパドゥール夫人が数百本をも城にオーダーした記録も残っています。
後にフランス皇帝となったナポレオン1世やヴィクトリア女王もモエ・エ・シャンドンをこよなく愛し、3代目当主であるジャン・レミー・モエ氏には勲章も授与しました。
モエ・アンペリアル(皇帝)はナポレオン生誕100周年にあたる1869年にリリースされましたが、そうした歴史的に深いつながりがあることからも理解できます。
そんなモエ・エ・シャンドンの初代となるのはクロード・モエ氏で、シャンパーニュを最高のワインにするという目標を掲げてエペルネに誕生させました。
この目標通り、ほんのわずかな期間でフランス王宮に食い込んだ商業的手腕にも目を見張りますが、やはりそのクオリティの高さがあってこそ得られたステータスでしょう。
公言通りシャンパーニュの地位は一気に押し上げられ、そのブランド力は国際社会にも及びました。
先ほど勲章を授与された3代目当主ジャン・レミー・モエ氏は、世界へ自社ブランドを羽ばたかせた功労者です。
彼はシャンパーニュ以外のワイン製造からは撤退し、すべての精力をシャンパーニュのクオリティと地位の向上につぎ込みました。

■モエ・エ・シャンドン社の誕生

実は正式にモエ・エ・シャンドンという名前になったのは1833年です。
ジャン・レミー・モエ氏の次代、息子のヴィクトール・モエ氏と娘婿のピエール・ガブリエル・シャンドン氏の2人が後継者となったことから、モエ・エ・シャンドン(MOET＆CHANDON)という名称が誕生しています。
モエ・エ・シャンドンとドン・ペリニヨンの関係を知る人も多いですが、1960年代にモエ・エ・シャンドンがメルシエを買収したことから兄弟ブランドとなりました。
フランスシャンパーニュ地方の小さなワイナリーが高い目標を掲げ、ついには世界的なラグジュアリーブランドへと成長する快進撃こそがモエ・エ・シャンドンの歴史と言えます。
初のヴィンテージシャンパーニュが生まれたのは1842年、その年の最高品質のブドウだけを使って作られるグラン・ヴィンテージの最初の1本が生まれてからすでに170年以上も経っています。
結婚式で定番のシャンパーニュタワーも、F-1のシャンパンファイトも発祥はモエ・エ・シャンドンですし、こうした華々しいセレブレーションのイメージを生み出すアイデアにかけてもまさに一流ブランドと言えるでしょう。

■創業270年を超えるラグジュアリーブランド

現在モエ・エ・シャンドンはシャンパーニュだけでなく高級香水や化粧品なども手掛けていることはご存じでしょうか。
フランス最大のコニャック製造会社ヘネシーと合併したモエ・ヘネシー・ホールディング・カンパニーや、ルイ・ヴィトングループと合併して作ったモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンも非常に有名です。
すでに創業270年を超える歴史的な存在ですが、フランスといわず、ワイン業界といわず、世界のあらゆるラグジュアリーを一手に引き受ける一大ブランドと成しえました。
もちろん今日においても、モエ・エ・シャンドンがリリースするシャンパーニュの品質は最高クラスであり、生産量においてもトップクラスです。
これだけ長い歴史の中、変わらないクオリティで年間200万ケース以上をもリリースし続ける手腕には、脱帽するしかないでしょう。

■モエ・エ・シャンドン MCIII(エムシースリー)

2016年9月にリリースされた究極のウルトラ・プレミアム・キュヴェが「モエ・エ・シャンドン MCIII(エムシースリー)」です。
メゾン史上最高の調和、かつ複雑な究極のシャンパーニュといわれ、すべてのディティールにラグジュアリー感が感じられます。
伝統的な概念はしっかり継承しつつ、完成度の高い新しいシャンパーニュとして生み出され、フレッシュでエレガントな多面性を持つ心地よい味わいが特徴です。