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スコッチウイスキーの誕生の歴史と名ブランド

■ウイスキーと言えばスコッチ
ウイスキーには世界に5大産地があり、それぞれで味わいの異なるウイスキーを造りながらも、それぞれが深い味わいを持っている上質のウイスキーです。
その5大産地とは、アイルランド、スコットランド、そしてアメリカ、カナダ、さらに日本です。
アイルランドのウイスキーはアイリッシュウイスキーと呼ばれ、アメリカはバーボン、カナダはカナディアンウイスキーとなり、日本はジャパニーズウイスキーです。
スコットランドのウイスキーはスコッチと呼ばれます。
5大産地それぞれが異なる味わいに仕上がっているため、好みが分かれるのがウイスキーの特徴ですが、ウイスキーと言えばスコッチと言われるほどスコットランドで造られるウイスキーが上質なのは、紛れもない事実です。

■スコットランドでのお酒の歴史
そもそもスコットランドでは、蒸留したてのきついお酒をそのまま飲んでいました。
当時のスコットランドはイングランドの圧政に苦しめられ、生活状態は良くなく、とりあえず安い酒しか飲めなかったのです。
そのため、蒸留したてでアルコール度数が何十度もある状態でも、それを飲むしかなかったわけです。
そんなイングランドは議会において多数派を占めたことにより、ますますスコットランドに圧力をかけます。
スコットランドの人たちが飲んでいたこの蒸留酒に、非常に高額の課税をすることを議会で可決したのです。
当然のことながら、スコットランドの人たちは課税の負担から逃れようと画策し、シェリー酒が入っていた樽に蒸留して造った酒を入れてこっそりと里山の奥深くに隠します。
酒を造っていることが証明できなければ、課税することもできないからです。

■スコッチウイスキーは偶然の産物
シェリー樽に蒸留酒を入れ、里山深くに隠したのち、人々は重い課税から逃れるため、しばらくそのままにしておきました。
そして、ほとぼりが冷めた頃に里山に入り、樽から蒸留酒を注いでみたところ、得も言われぬ芳しい香りとともに、無色透明だったはずの液体が美しい琥珀色になって出てきたのです。
飲んでみると、それまでの蒸留酒とは比べ物にならないほどまろやかな口当たりで、アルコール度数も落ちていることは明らかでした。
今なら、蒸留酒を樽に入れることで琥珀色の液体に変わるという、いわゆる熟成されてウイスキーになることがわかっていますが、当時の人たちはそんなことになっているとは思いもしなかったことから、非常に驚き、かつ喜んだのも無理はありません。
今や世界中のウイスキー好きを魅了するスコッチウイスキーは、税逃れのための苦肉の策から生まれた偶然の産物であり、神様からの贈り物とさえ言えそうです。

■スコッチウイスキーの一大産地
こうしてウイスキー造りの方法が定まったことによって、スコットランドには多くの蒸留所が生まれます。
中でもスペイサイド地方はウイスキーの蒸留所が多く、特にダフタウンは生産量が非常に多いのが特徴です。
スペイサイド地方から世界中で売られているシングルモルトウイスキーのおよそ35％を生産しているのが、グレンフィディックです。
日本国内ではスーパーなどでもよく見かける親しみやすいスコッチウイスキーのブランドで、価格帯もお手頃なことから、日本でも人気があります。
1886年の創業以来、ゲール語で鹿の谷を意味するグレンフィディックは、ラベルに雄鹿のマークを用いているのが特徴です。

■特別なグレンフィディック
シングルモルトウイスキーと言えばグレンフィディックと言われるほど、有名なスコッチウイスキーのブランドであるグレンフィディックの、グレンフィディック50年 1990ボトリングは、熟成50年という非常に長い期間熟成させた原酒を1990年にボトリングしたものです。
シリアルナンバー付きのボトルで500本のみ限定リリースしたことから、非常に稀少価値が高くなっています。
グレンフィディックのウイスキーは、軽い飲み口と爽やかな味わいになっており、これが多く飲人に好まれる理由です。
限定ボトルは入手困難ですが、初心者におすすめのスコッチウイスキーブランドです。