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職人の手作りで醸造される伝統が香るバルヴェニー 30年

■職人の手で紡ぎ出される珠玉のヴィンテージ
バルヴェニー 30年は伝統的な職人の手作りにより丁寧に造られたシングルモルトを30年の時間をかけてじっくりと熟成された珠玉のヴィンテージ品です。
非常に手間がかかることで今ではほとんど行われていない伝統的なフロアモルティングを現在でも手掛けている、数少ない蒸留所です。
独自に大麦を栽培したうえ、麦芽の乾燥も自社で行う徹底ぶりで、ピートの香り付けも自社のコンセプトに合わせて調整することができます。
バルヴェニー蒸留所ではライトなピート香の麦芽を製造することで、豊かで滑らかで芳香かつ、独特のハニー感の漂う軽やかなシングルモルトを生み出しているのです。
蒸留に使用されている蒸留釜にも特徴があり、独自に開発したバルヴェニーボールと呼ばれるネックにこぶが付いた独特の蒸留釜を使っています。
独特の蒸留釜は香りの成分を穏やかにじっくり抽出するのに優れており、独自の釜を用いることで、バルヴェニー特有の豊かで重厚なモルトウイスキーを蒸留することができるのです。
この味を守り続けるために専属の釜職人を抱えており、職人技が代々受け継がれて、バルヴェニーならではの味を維持しています。
さらに樽の使い分けにも力を注いでおり、バーボン樽にシェリー樽に加えて、ワイン樽やポートワイン樽などさまざまな組み合わせで多様なモルトを少量ずつ生産して、バルヴェニーオリジナルのシングルモルトのラインナップで多くのファンを魅了してきました。

■バルヴェニー蒸留所の歴史
バルヴェニー蒸留所はグレンフィディック蒸留所の創始者であるウィリアム・グラントにより、姉妹ディスティラリーに位置付ける第2蒸留所として、同じ敷地内に建設されました。
グレンフィディック蒸留所が創業した5年後にあたる、1892年に創業をスタートしています。
蒸留所の名称となったバルヴェニーとは、ダフタウンにある古城の名前から名付けられました。
ゲール語で山のふもとの集落を意味しています。
13世紀に建造されたと伝わる古城は、長らく廃城として放置されたままでした。
ウィリアム・グラントがその場所を取得し、ふもとにバルヴェニー蒸留所を開設したのです。
戦乱の中世時代にハイランドを見守ってきた古城のバルヴェニー城は、現在ではシングルモルトの銘酒ブランドとして世界に名を馳せることになりました。
バルヴェニー蒸留所で仕込みに使っている水は、コンヴァル丘陵からの数十の泉の湧水を利用しており、グレンフィディック蒸留所と同じ原料を用いながらも、水源の違いや製造方法の独自性により、まったく異なる性質と特徴のあるモルトウイスキーが生み出されています。
バルヴェニー蒸留所のキルンからは常にピートの煙が立ちのぼり、現在でも手間のかかるフロアモルティング手法を守る数少ない蒸留所として、業界からも高い評価を得ています。
ネックにこぶが付いた独特の蒸留釜を用いた、蒸気による間接加熱方式を採用することで、香りの成分を穏やかにじっくりと抽出するのも特徴的です。
貯蔵にはバーボン樽を主体にシェリー樽、ポートワインの空き樽など、樽を多彩に使い分けることで、多彩な味わいのシングルモルト造り出すノウハウを持ったディスティラリーとしても有名です。

■独自の製法と熟成による味わい
バルヴェニー 30年はグラスに注ぐと紅色がかった美しい琥珀色に、まず魅了されます。
色の美しさと同時に香ってくる幾重にも広がる芳香に心躍らされるようです。
香りは30年熟成らしく、熟したアプリコットやオレンジ、桃のような甘酸っぱく濃厚なフルーティーさに、オイルや樹液、紅茶のような重厚感がある多層的な香りを楽しむことができます。
口に含むとフルーツがさらに煮詰まったような甘やかさから、クリーミーなミルクティーやアーモンドエッセンスの効いたブラマンジェのような濃厚な甘み、そして、心地良い酸味と木の渋みのような深みのある味わいが感じられます。