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佐藤酒造のプレミア銘柄3種類とこだわりの製法

■芋焼酎造りのメッカ・鹿児島で知らぬ者はいない
鹿児島県霧島市に蔵を持つ「佐藤酒造」は、明治39年、西暦にして1906年から焼酎造りの蔵として創業しました。
鹿児島県霧島市にあることから、手掛けているのはもちろん芋焼酎ですが、1つだけ麦焼酎も造っています。
この麦焼酎を含む佐藤酒造の名を冠した「佐藤」の銘柄シリーズは、異なる味わいの芋焼酎2種類に、麦焼酎1つというラインナップです。

この佐藤は、いまではそのすべてがプレミア焼酎として多くの焼酎ファンから垂涎の的となっており、入手困難な焼酎として知られています。
もともと鹿児島の芋焼酎が焼酎ブームの火付け役で、さらにはけん引役になったとされていますが、最も有名なのが3Mと呼ばれる銘柄のすべてにMが付いた「森伊蔵」「村尾」「魔王」です。

これらは焼酎好きはもちろん、焼酎を飲んだことがない人にも一度は飲んでみたいと思わせるほどのブームとなったことから、これらに負けず劣らず品質のよい焼酎として、さらに「伊佐美」が、そして佐藤が加わり、芋焼酎からは、年配の方が飲む酒でおしゃれではないというイメージはすっかり払拭されました。

■佐藤酒造の佐藤が注目を集める理由
佐藤酒造の名を付けた3つの佐藤という焼酎は、そのすべてが限られた仕込みしかできません。
佐藤酒造では、大量生産という方法で焼酎を造らず、創業以来113年という長い歴史で培ってきた、昔ながらの伝統的な製法で一つひとつ大切に熟成させているからです。
佐藤酒造の蔵は決して大きくはなく、その理由は人の手によって丁寧に焼酎造りを行うには、大きな蔵は必要ないと考えているからにほかりません。

いまや焼酎マニアにとっては、ぜひとも手に入れたいプレミア焼酎を造る蔵として知られているだけに、生産規模を拡大してもいいようなものですが、大量生産をしてしまったときから、佐藤酒造の焼酎ではなくなってしまうことは、ほからぬ佐藤酒造に関わる人たちすべてが分かっているのでしょう。
そのため、出来上がる量は決して多くないものの、品質はずば抜けてよいというプレミア焼酎として佐藤を造っているところが、佐藤酒造の最大のこだわりと言ってよいかもしれません。

■芋焼酎好きならどちらも飲んでみたい
佐藤酒造の佐藤は、3つの中で麦を除く2つは同じ芋焼酎です。
そのため、芋焼酎好きならぜひともどちらも飲んで、その違いを自分自身の舌で味わって飲み比べを楽しみたいものです。
佐藤の芋焼酎は、佐藤の白、あるいは佐藤の黒といった呼ばれ方をしており、この白と黒の違いは麹の種類を意味します。
どちらも芋焼酎造りに最適とされる品種の芋・黄金千貫を使っていますので、芋のおいしさは申し分ありません。

仕込み水は霧島連山の水を使い、この水が硬めの中硬水なので、佐藤酒造の焼酎はすべてしっかりとした味わいに仕上がります。
最終的に白と黒で芋焼酎の味の違いを分けるのは、白い麹か黒い麹かということになるわけです。
白麹を使った佐藤の白は、柔らかい口当たりになるのが特徴で、白麹が酒質を柔らかくし、黄金千貫の甘みを引き出すため、穏やかな印象の芋焼酎となります。
対する佐藤の黒は黒麹菌を使っていることから、黒という色のイメージそのままに、力強い香りと味わいが特徴です。

■芋焼酎をとことん味わいたい人に最適なプレミア芋焼酎
佐藤酒造のプレミア焼酎である「佐藤 黒麹仕込 芋焼酎 1800ml」 は、黒麹仕込みだけが造り出すことができる独特のパワフルさと、中硬水を使うことで生まれるしっかりしたボディになるため、黄金千貫の香ばしい香りがしっかり感じられます。
そのため、一口目を口に含んだときに、かなりインパクトのある個性的な旨味による味わいが人気です。
白麹を使った「佐藤 白麹仕込」と比べてみるとその飲み口の違いは歴然で、黒麹はどっしりとした芋の甘みと重厚な味が伝わってきます。
重厚な芋の風味を味わうにはお湯割りが最もおすすめの飲み方ですが、どちらも試したい焼酎好きへのおすすめは、優しい口当たりの白、そして重厚な黒という順番になりそうです。