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鹿児島県といえば芋を使った薩摩焼酎

■日本における焼酎の位置づけとは

日本の酒といえば、誰もが日本酒と答えますが、これが鹿児島をはじめとする九州や、独自の王朝文化を育み、独立した文化を持つ琉球国であった沖縄では、お酒といえばアルコール度数の高い焼酎のことを意味します。
特に九州は焼酎造りが盛んで、世界に名だたる日本の蒸留酒アイランドと言われているほどです。
とにかく焼酎を造っていない県はないと言っても過言ではない九州ですが、中でも芋焼酎といえば鹿児島で、かつて薩摩という名で呼ばれていたこともあって、特定の地域の名を冠して薩摩焼酎と名付けられると世界貿易機関＝WTOによって定められているほど、いまや世界的に日本の焼酎は名だたるブランド力を備えた蒸留酒となっています。
いわゆるシャンパーニュ地方におけるシャンパーニュのようなものです。

昔から九州では酒といえば焼酎でしたが、ほかの地域ではそうではありません。
多くの場合は米や米麹を使って発酵させ、醸造酒として出来上がった状態で飲む清酒が圧倒的多数です。
焼酎は清酒という醸造酒をさらに蒸留して、高いアルコール度数の蒸留酒に変えたものですから、好き嫌いの好みがはっきり分かれます。
九州では酒といえば焼酎でも、そのほかの地域ではそうではなかったこともあって、消費量や販売量においては清酒に太刀打ちできなかったのが事実です。
しかし、そんな状況を一転させるときが来ました。それが焼酎ブームの到来です。

■焼酎ブームの到来によって変わったこと

平成8年ごろから清酒の生産量が頭打ちになり、減少に転じているのに対して、単式蒸留と呼ばれる作り方で造られる本格焼酎の消費量は、少しずつ増え始めます。
そのピークは平成19年で、平成元年は205リットルだったのに対し、ピークとなった平成19年には540リットルに達しました。
その後、地方で造られる地酒においしいものがあるという口コミが広まって地酒ブームが起こったり、ハイボールブームによってウイスキー人気が高まったりと、人気のお酒は次々とその顔ぶれを変えていきましたが、焼酎は一定の人気を確保することに成功したのです。
平成28年の消費量は457リットルへと減りましたが、それでも平成元年に比べると、倍以上の消費量です。
これは、平成19年にピークに達した焼酎ブームの到来により、地方に存在していた隠れた地酒の銘酒同様、焼酎にも一度は飲んでみたいおいしい焼酎があることが、広く知れ渡った結果と言えます。

■鹿児島県霧島市でプレミア焼酎を造っている蔵

焼酎においては、職人によって手間暇かけて造られているために少ししか生産ができない極上の焼酎を指して、プレミア焼酎という呼び方があります。
鹿児島県霧島市でプレミア焼酎を生み出す焼酎造りの蔵として知られているのが、「佐藤酒造」です。
創業から100年以上の歴史を持つ佐藤酒造では、酒造会社の名前を取れって名付けた佐藤という銘柄のシリーズを造っており、焼酎界で圧倒的な知名度を誇っています。
手間暇かけた職人技でプレミア焼酎を生み出す蔵の多くが小さな蔵なのも、プレミア焼酎で注目される蔵に共通した特徴です。

その理由は人の手によって手間暇かけて造るからこそ、プレミア焼酎になるからです。
大量に蒸留しても、佐藤酒造が目指すプレミア焼酎の佐藤にはならないことから、佐藤酒造もまた、決して大きくない蔵で手間をかけた焼酎造りをしています。

■好きな佐藤を見つけたい

佐藤酒造で造るプレミア焼酎である佐藤は、3つの種類に分かれています。
佐藤の黒、佐藤の白、そして佐藤の麦です。そのほかにはさつま、黒さつまがあり、佐藤の麦以外はすべて芋焼酎です。
そんな佐藤酒造の「佐藤 さつま 1800ml」は、佐藤酒造を代表する銘柄として長きにわたって造られてきました。
白麹を使っているため、口の中に優しい味わいが広がるのが特徴で、 1,800mlと720mlの2つのサイズを作っています。
どれだけ飲んでも飲み飽きしない味わいから、地元の人たちに長く愛されてきた芋焼酎ですので、芋焼酎好きならぜひとも味わってみたい焼酎です。