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屋久島で造られる芋焼酎は自然の恵みがいっぱい

■ 世界遺産に登録された地にある蔵元
1993年（平成5年）にユネスコの世界自然遺産に登録された屋久島にある焼酎の蔵元が、三岳酒造株式会社です。
年間を通して雨が多いことで知られる屋久島は、手つかずの自然がそのままで残る貴重なところでもあり、島は気の遠くなるほどの長い年月を生き抜いてきた縄文杉老大樹が今もなお島に多く残って、原生林を形作っています。
日本の南に位置することや、1年のうちの大半は雨という気候もあり、雪のイメージはほとんどない屋久島ですが、九州最高峰で洋上アルプスの異名を持つ山々が多く、これらの山は山頂に雪を抱いています。
河岸には熱帯の果実が実を付けるというのに、高度とともに気温は低下する山の頂には雪があるという、非常に多種多様な自然が残っている場所、それが屋久島です。
自然の恵みがぎっしりと詰まっているだけに、無数の渓流や湧き水が存在し、日本の名水百選の常連でもあります。
水の質がこのうえなくよいというのは、どんな酒造りにも欠かせない重要な条件でもあることから、屋久島においしい焼酎を造っている会社が存在してもなんら不思議ではありません。

■ 三岳酒造株式会社とは
1958年（昭和33年）に栗野酒造株式会社を買収し、鹿児島県熊毛郡屋久島町に移転したその年に、三岳酒造株式会社に商号を変更して焼酎造りを行っている酒造会社で、現在は三代目となる社長が経営しています。
自然の恵みに囲まれた屋久島ですが、離島なだけに原料の確保が常に難しいという経営の困難さを抱えながら焼酎造りを行ってきました。
台風被害に遭いやすいという気象条件もあり、さらには1年のほとんどが雨という屋久島では温度はもちろん、湿度の管理も非常に難しいのが特徴です。
つまるところ、屋久島での焼酎造りは非常に苦労が伴うものなのですが、原生林によってろ過された水から生まれる芋焼酎の味わいは、ことのほかおいしく、まろやかな口当たりと飲み口のよさ、独特の旨味と風味に爽やかな酔い心地と、厳しい条件下での製造の難しさと比較してもなお、ここで焼酎を造りたいと思わせるのもまた、屋久島という場所なのかもしれません。
工場の敷地は非常に広く、設備を拡大したことから、現在では屋久島以外への出荷量も増えています。
屋久島に行ってその自然に触れ、味わうのが一番のおすすめですが、なかなか屋久島に行くのは難しいという人にとって、工場の設備がより充実し、生産量も増えて本土で買えるようになったことは、焼酎好きとしては喜ばしいことです。

■ 屋久島に思いを馳せながら飲むのが一番
屋久島を訪れた人の中には、その魅力の虜になって移住を決意することも多く、特に都会からの移住者が多いというところに、自然が持つ癒しの力のすごさが垣間見えます。
屋久島を代表する酒造会社である三岳酒造は、銘柄にも屋久島の要素をあちこちに採り入れていますので、屋久島に行って好みの焼酎を買い、そして屋久島で飲めたらこれ以上の贅沢はありません。
屋久島に行けなくても、屋久島の情報や写真などはネット上を探せばたくさん見つかりますので、これらを見ながら味わえば、心は屋久島にいるような気持ちになれることでしょう。

■ 屋久島の自然が生み出した飲みやすさが魅力
本格薩摩焼酎 三岳（みたけ）は、芋焼酎に最も適しているとされる芋を黄金千貫（こがねせんがん）のみを用い、屋久島が持つ特異的な地形から生まれる良質な水と白麹という、3つの材料で仕込まれます。
三岳という銘柄の名の由来となったのは、屋久島にある宮之浦岳、永田岳、黒味岳で、いずれも急峻な屋久島を象徴する山々です。
急峻な山々にちなんで名付けられた三岳ですが、黄金千貫が持つ甘くて上品な香りとまろやかな口当たりに仕上がっていることから、独特のクセがあるから芋焼酎は苦手という人から、芋焼酎は初めてという人にも飲みやすいのが特徴で、屋久島だからこそ造れる逸品の芋焼酎となっています。