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トラベルリテール市場限定で発売された１００プルーフのジャックダニエル

■世界で最も売れているアメリカンウイスキー

世界５大ウイスキーのひとつとして知られるアメリカンウイスキーは、イギリスによる植民地化が始まった１７世紀、新大陸と呼ばれたアメリカのヴァージニア州でジョージ・ソープという名の移民者がアメリカ産トウモロコシを原料につくった蒸溜酒が始まりとされています。
アメリカの地でウイスキー造りが広まったのは１８世紀以降のことで、大陸に渡ってきたスコッチ・アイリッシュと呼ばれる北アイルランドのスコットランド人の蒸溜技術により、美味しいウイスキーの生産が盛んに行われるようになります。
そんなアメリカンウイスキーは、原料やアルコール度数、熟成樽など「連邦アルコール法」で定められた規定に基づいてつくられており、バーボンをはじめ、ライウイスキーやホイートウイスキー、モルトウイスキー、ライモルトウイスキー、コーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーなどの多くの種類が世界各国で親しまれています。
その中でも認知度が高く、世界で一番飲まれているアメリカンウイスキーとして有名なブランドが、テネシー州リンチバーグでつくられるテネシーウイスキーの代名詞「ジャック・ダニエル（JACK DANIEL'S）」です。
お酒に興味のない人でも一度は聞いたことがあるであろうジャック・ダニエルは、チャコール・メローイング製法によるまろやかな風味と甘くてフルーティな味わい、そして芳醇な香りが特徴で、クセがなく飲みやすいことからウイスキー初心者からも人気を集めている銘柄でもあります。

■テネシーウイスキーの歴史を開いたジャック・ダニエル

テネシーウイスキーの「象徴」であり「代名詞」とも言われるジャック・ダニエルは、テネシー州リンチバーグで１３人兄弟の末っ子として生まれたジャスパー・ニュートン・ダニエル氏によって創設されました。
ジャックの愛称で親しまれたダニエル氏は、裕福とは言えない環境であったことから７歳にしてお酒の蒸留所を営む牧師のもとに預けられることになります。
蒸留所の手伝いから始めたダニエル少年は働きながら製造技術を習得し、弱冠１３歳という若さで育ての親である牧師から譲り受けた蒸留所の管理者となり、１６歳になる頃には熟成させたウイスキーをつくりあげ、自身の名前を冠して創設したジャック・ダニエル蒸留所をアメリカ合衆国最初の蒸留所として政府に公認登録されるにまで至ります。
自分自身が「四角四面な性格だから」とウイスキーを入れるボトルに四角い形を選んだダニエル氏からは一見ユニークな一面が感じ取れますが、頑固なまでに強い信念を持つクラフトマンシップがゆえに、東京ドーム約３０個分に値する土地を購入してまで湧き水を確保し、樽は自社製にこだわり、サトウカエデの炭でろ過するチャコールメローイング製法を生み出し、アメリカンウイスキーの、そしてテネシーの誇り「ジャック・ダニエル」が誕生したとも言えるでしょう。
多くのミュージシャン、とりわけロックスターに愛されることでも知られる「ジャック・ダニエル」。
誕生から１５０年以上経った今も変わらず、国境を越えて広く愛されるテネシーウイスキーをつくりあげた妥協なき情熱と信念を貫いたジャック・ダニエル氏自身が、まさにロック気質の人物だったのかもしれませんね。

■テネシーウイスキー独自のチャコール・メローイング製法とは

１００年以上こだわり続けたテネシーウイスキー独自のチャコール・メローイング製法によって、今も昔も変わらぬジャック・ダニエルの香りと味わい、そして品質が守られていると言っても過言ではないでしょう。
チャコール・メローイング製法は、メイプルシロップの原料にもなるテネシー産のサトウカエデ（砂糖楓）を積み上げて一気に燃やして作った木炭を細かく砕き、それを巨大な桶に約３メートルの高さまで敷き詰めて、蒸留所から直接パイプで運ばれた原酒を時間をかけて一滴一滴丁寧にろ過する工程です。
チャコール・メローイング製法を行うことで原酒特有の荒々しい雑味が取り除かれ、バニラやキャラメルのような甘いフレーバーが引き立つなめらかでメロウな味わいのウイスキーが出来上がります。
均一のとれた芳醇でスムースな味わいのジャック・ダニエルに欠かせない伝統の製法は、今も変わることなく受け継がれているのです。