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ラベルに描いた真紅の薔薇が綴るロマンチックな銘柄の由来

■薔薇のラベルは結実した愛を物語る象徴だった

四つの薔薇を意味するバーボン銘柄「フォアローゼズ（Four Roses）」に秘められたロマンティックなストーリーを知っていますか？
それはフォアローゼズの生みの親、ポール・ジョーンズ・ジュニアに訪れた運命の出会いからはじまります。
ある舞踏会でポール・ジョーンズ・ジュニアは絶世の美女と出会います。
一目で恋に落ちたポールは、その場で迷うことなくプロポーズしました。
しかし、その美しい女性はこう答えます。
「どうか次の舞踏会までお待ちください。プロポーズをお受けするなら、薔薇のコサージュをつけてまいります。」
待ち焦がれた約束の舞踏会の夜、ポールの前に現れた彼女はプロポーズ受諾の証として４輪の真紅の薔薇を胸に飾っていたのでした。
それはまさに永遠の愛が実った素晴らしい瞬間。
運命的な出会いから生まれた素敵なエピソードから名付けられたバーボン「フォアローゼズ」のボトルには、二人の愛が結実した瞬間を象徴するように真紅の薔薇四つのコサージュがラベルに描かれているそうです。
愛の誓いを交わしたふたりの物語を思い描きながら味わうフォアローゼズは、より甘く味わい深いものになりそうですね。

■フォアローゼズの特徴

ライムストーンと呼ばれる石灰岩層で主に形成されるケンタッキー州の地盤ならではの天然湧水「ライムストーンウォーター」を仕込み水に、バーボンづくりの規定に沿ってトウモロコシを中心としたライ麦や大麦を原料とし、内側をバーナーで焦がしたホワイトオークの新樽に詰めて熟成されているフォアローゼズ。
その風味は、コーンや樽に由来する華やかな香りと花や果実を想わせるフルーティで柔らかい味わいが特徴です。
作り手が特にこだわっているのが香り。
トウモロコシやライ麦、大麦麦芽、水、イーストと言った原料の香りは原酒の香りに直接的な影響を与えるため、ディスティラーによって丹念にチェックされています。
「フォアローゼズ バーボン」をはじめとするスタンダードな銘柄は、リーズナブルな価格で入手できるのもポイント。
気軽にトライしやすい手頃な値段とクセが強すぎない飲みやすさは、バーボン初心者でも受け入れやすいのではないでしょうか。
２０１８年に１３０周年という節目を迎えたフォアローゼズは、これからもたくさんの人に甘く華やかな香りと楽しいひとときを届けてくれることでしょう。

■禁酒法時代も薬用酒として認められたバーボン

世界ナンバー１の人気を誇る「ジムビーム」に次いで広く親しまれているバーボン「フォアローゼズ」は、フランスの世界的酒造メーカー「ペルノ・リカール」の傘下で１８８８年に創業し、ポール・ジョーンズ・ジュニアによって商標を登録されたことからブランドの歴史はスタートしました。
１９１９年～１９３３年まで禁酒法が施行された苦境の時代にも、「薬用酒」としてバーボンの蒸留製造と存続を許可された数少ない蒸溜所のひとつだったフォアローゼズは、希少な生産者としてブランドを守り続け、２０１８年には誕生から１３０年周年の節目を迎えています。
禁酒法が解かれ、戦争も終わり、自由の空気がアメリカにもどると同時に、１９４０年代はアメリカからアジア、欧州へと販路を移していったフォアローゼズは人々からの支持を得て、２０世紀後半には世界各国で最も売れているバーボンブランドのひとつとして確固たる地位を確立しました。
世界進出で広く躍進を遂げたフォアローゼズは、紆余曲折を経て２００２年に日本のキリンホールディングスの傘下に入り、製造・販売を行う現在に至ります。

■フォアローゼズを愉しむおすすめの飲み方

芳醇でフルーティーなアロマが特徴のバーボン「フォアローゼズ」は、花や果実のようなほのかな香りを楽しめるストレートでいただくのがおすすめです。
グラスは、バーボン本来の味わいをダイレクトに感じられる薄目のグラスを用意すると良いでしょう。
ミネラルウォーターと氷を入れたチェイサーを用意し、グラス３分の１から半分ほどまで注いだバーボンと交互に飲みながら感覚を研ぎ澄まし、時間の経過とともに開く香りの変化を愉しみます。
もちろん、途中で少しずつ常温水を加えながら移ろう味わいや甘い香りの変化を楽しむのも良し。
最後に小さな氷を１、２個入れて風味のバリエーションをじっくり感じてみてください。
銘柄ごとにボディの重さや味わいの違いがあり、それぞれガラリと印象を変えるのがフォアローゼズの面白いところ。
バーボン初心者でそのままいただくのは強すぎるという方は、炭酸で割るハイボールやレモン、ライムといった柑橘系のジュースで割るなどライトに飲めるカクテルアレンジもおすすめです。
ストレートやオンザロック、トワイスアップやカクテルベースなど飲み方を工夫しながら、自分の好みの飲み方を見つけるのもまたバーボンの楽しみ方と言えるでしょう。