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ビーム家の誇りを受け継ぐブッカー・ノウの最高傑作

■ブッカーズの生い立ち

世界売り上げNo.１を誇る「ジムビーム」の６代目マスターディスティラー、ブッカー・ノウによって生み出されたプレミアムクラフトバーボン「ブッカーズ」は、１９８８年に始めて世に出されました。
ブッカー・ノウの息子で７代目となる現マスターディスティラーのフレッド・ノウによると、「ブッカーズ」はもともと非売品だったのだとか。
ビーム家だけで楽しむバーボンとして飲んでいたお酒をバーベキューパーティーに集まったゲストに振る舞ったところ、あまりにも評価が高いことから商品化したそうです。
暗黒の禁酒法時代を乗り越え、２００年以上アメリカのウイスキー業界を支えてきたビーム家が受け継ぐ伝統の製造方法と技術、そしてブッカー・ノウによるバーボンの原点回帰を目指した思想と理想を根底に作り上げられた「ブッカーズ」。
その歴史はまだ浅いものの、アメリカンバーボンの頂点に君臨する最高傑作として高い需要を誇っています。

■クラフトバーボンがこだわる製法とは

「ウイスキーづくりに妥協は許されない。特にクラフトバーボンと呼ばれ長期熟成のプレミアムな製品には、自分の感性を信じつつもより高いレベルの品質を生むようにと全霊を傾注している。」
そう語るのは７代目マスターディスティラーのフレッド・ノウ。
クラフトバーボンは、その名の通り職人技が活きた革新的技術と徹底した並々ならぬ管理の下でつくられたこだわりの詰まったお酒です。
厳選した最上級の材料をはじめ、仕込みから蒸留、貯蔵まで作り手の特別な意図や思想が色濃く反映されているのが特徴で、理想を追求するがゆえに生産出来る数量も少量に限定されています。
そんなクラフトバーボンが最もこだわっているのが製樽と熟成。
バーボンの産地で有名なアメリカのケンタッキー州は１年間の寒暖差が非常に大きく、決してオーク樽による貯蔵に向いているとは言えない環境なんです。
特に真夏の平均気温が３１度以上にもなる夏季は、気温の高さから熟成が早く進んでしまうのが難点。
一方、冬場は０度以下を記録する環境では長期間にわたる品質維持が困難を極めるのです。
そのため多くのバーボンつくりを行う蒸留所では、内面をカリカリになるまでよく焦がしたバーボンバレルと呼ばれる約１８０リットルの小さな樽に貯蔵し、短い年数で熟成のピークを迎えるという製法を取り入れるのが一般的となっています。
このような厳しい条件の中でクラフトバーボンの命ともいえる長期熟成を達成するためには、アメリカン・ホワイトオーク樽の品質や樽の内面焼き、貯蔵熟成中の樽の状況を厳しくチェックし、常に熟成の進捗や品質維持に努めて世界中のファンの元へ昔ながらの力強く味わい深いクラフトバーボンを届けているのです。
貯蔵庫内での熟成樽の位置まで厳密に考慮されているクラフトバーボンには、２００年以上根強く守られたビーム家の飽くなき情熱とクラフトマンシップがしっかりと継承され、不朽の名作を生み続けています。

■つくり手の個性が際立つスモールバッチ

バーボンウイスキーの用語として知られる「スモールバッチ」とは、少量で限定生産されるウイスキーを指すことがほとんどです。
法的な定義は存在しませんが、スモールバッチと銘打たれた銘柄は少数の選び抜かれた良質な樽からのみ瓶詰めした、数量限定で造られるバーボンであることが多いのも特徴的。
中でも、スモールバッチの代表として語られるクラフトバーボンは、禁酒法以前の力強いバーボンに原点回帰しようという思想のもと生み出されたお酒で、長期熟成による深みと最高品質のリッチな味わいを表現するために少量限定生産されています。
プレミアムバーボンの頂点「ブッカーズ」もスモールバッチ製品のため通年販売で流通しておらず、リリースされるバッチごとに熟成年やアルコール度数も異なることから、オールドボトルは希少価値が高いと認識されるボトルが増えているようです。
生産者の思想や理念を垣間見ることができるスモールバッチのバーボン・ウイスキーは、本質を踏まえて味わうとより奥深く個性を愉しむことができるのではないでしょうか。