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白州蒸溜所でつくられた終売品の貴重なピュアモルトウイスキー

■白州蒸溜所がある山梨県の郷、北杜市の誕生

１９２３年、サントリーの創業者・鳥井信治郎氏がウイスキー造りの理想郷として選んだ京都の南西、天王山の麓にある山崎の地に山崎蒸溜所を構えてからちょうど５０年を迎えた１９７３年に、サントリー第２のモルトウイスキー蒸溜所として選ばれた地が東京から約２時間の山梨県北西部の北巨摩郡に位置する白州町でした。
「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーをつくりたい」という熱い想いと決意の下、生まれた国産ウイスキー「山崎」に続くモルトウイスキーをつくるべく選ばれた地に開設された「白州蒸溜所」は、南アルプスの山々をくぐり抜けてきた清冽な地下天然水に恵まれています。
重厚で華やかな山崎とはタイプの異なる多彩さが魅力の白州のモルトは、軽快で穏やかな味わいを持ち味としています。
白州町が位置する山梨県北巨摩郡には、ほかに長坂町・高根町・大泉村・武川村・須玉町・明野村・小淵沢町の８町村が所属していましたが、２００４年１１月に小淵沢町を除く７町村が合併（２００６年には小淵沢町も合併）されたことにより、北杜（ほくと）市が誕生することとなります。
「北杜」という市名は、山梨県の北部に由来する「北」と、梨狩りでも有名な山梨県らしく食用植物の「ヤマナシ（果実の梨）」を意味する「杜」を組み合わせて名付けられたそうです。
この新たな市の誕生を記念し、白州蒸溜所から合併年に北杜市の名を冠して発売されたのがピュアモルトウイスキー「北杜」です。

■誰もが飲みやすいと感じる「北杜」の特長とは

ウイスキーを飲み慣れている方はもちろん、はじめてウイスキーに接するという方にも「おいしい！」と言われるウイスキーを目指したサントリーピュアモルト北杜がこだわったのは「飲みやすさ」と「旨さ」の両立です。
ウイスキー独特のクセを抑え、なめらかですっきりした口当たりと心地よい余韻を実現し、気軽にスイスイ飲める飽きののこない味わいを目指しました。
北杜１２年には、白州蒸溜所が所有する約８０万樽の１００タイプ以上におよぶモルト原酒から厳選された飲みやすいモルトだけをキーモルトに採用し、軽快でスッキリしているだけでなく華やかさも表現するために、山崎蒸溜所からも飲みやすいモルトを選び抜き、ヴァッティングさせて仕上げているというこだわりぶり。
これぞまさに、多彩なモルト原酒のつくり分けに長けた白州蒸溜所ならではの徹底したウイスキーつくりと言えるでしょう。
こうして生まれた北杜１２年は、花を想わせる甘いやわらかな香りで酒齢１２年以上ならではの豊かな熟成感が素晴らしく、すっきりとした香味とマイルドな飲み口を特長とするピュアモルトウイスキーに仕上がりました。

■雑味を抑える竹炭ろ過

北杜１２年は、白州蒸溜所の原酒を用いてサントリー独自の製法である「竹炭ろ過」という製法を行ってつくられています。
竹炭ろ過製法とは、昔ながらの炭焼き釜で丁寧に作った孟宗竹（もうそうちく）の炭の層をろ過のフィルターとして使い、熟成したモルト原酒を通すことで滑らかな味わいを生み出すサントリーのオリジナル製法です。
この竹炭ろ過製法は、１９９８年に独自性の高い製法として特許も取得しているそうです。
熟成原酒を竹炭でろ過することにより、ウイスキーの雑味を取り除き、白州蒸溜所の原酒由来の甘く伸びのある特徴的な芳醇な香りが生み出され、甘味を含むスムースな味に仕上げることができます。
また、冷却ろ過とは異なるためコクや旨味、熟成樽に由来する香ばしさや甘さも堪能できるというメリットがあります。