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■ウイスキーを育てる「樽」の特徴

ウイスキーの貯蔵・熟成の工程において、使用される樽が「どのような素材でつくられた、どんな種類の樽であるか」ということは、ウイスキーが持つ味や香りを推測するために必要な手がかりのひとつであり、ウイスキーの特徴をつくり上げるために樽が果たす重要な役割でもあります。
サントリーウイスキーの貯蔵・熟成樽によく使用される木材といえば、北米産のホワイトオークです。
同社で用いられるバーボン樽は、すべてこの北米産のホワイトオークから作られており、バニラやココナッツのような香味を生み出すという特長があります。
かつて、シェリー樽やワイン樽などにはヨーロッパ産のスパニッシュオーク、コモンオークなどが用いて、色が濃くドライフルーツやチョコレートを想わせる濃厚な香味を生みだしていましたが、現在はシェリー樽もほとんどがこのホワイトオークを採用しているのだとか。
この北米産ホワイトオークでつくられた「バレル（バーレル）」と呼ばれる樽のサイズは、１８０リットル～２００リットル容量が一般的。
ホワイトオークバレルは、一回目にバーボンウイスキーやテネシーウイスキー、カナディアンウイスキーなどの貯蔵・熟成に使われ、その空き樽をスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーの貯蔵・熟成樽として再利用されています。
新樽のバーボン樽は、焦げ臭く生木っぽいという独特のクセを持っているためそのままモルトウイスキーの貯蔵・熟成に使いづらいですが、一度バーボンを熟成させたものは美味しいウイスキーをつくり上げるのにうってつけたったそうです。
樽のサイズによって出来上がるウイスキーの質や特徴がガラリと変わるのはとても興味深いですよね。
最近では、通常の樽熟成の後に異なる種類の樽にあえて詰め替えて、別の樽の風味を付与する「ウッドフィニッシュ」と呼ばれる熟成方法も増えています。
サントリーが所有する同じ蒸留所で同年に蒸溜された原酒でも、使用する樽や樽の使用回数など条件が異なると、色や香り、味わいなどそれぞれのフレーバーの傾向が楽しめるのも、ウイスキーの愉しみ方であり醍醐味と言えるでしょう。

■オーナーズカスクはウイスキー樽を一人占めできる夢のボトル

「おいしいウイスキーを樽のまま一人占めしたい」という夢やロマン。
まさに限られたオーナーにのも許されるそんな贅沢がここにあります。
「オーナーズカスク」という名のウイスキーは、その名称の通り、オーナー所有のモルト原酒樽の中味を丁寧に瓶詰めしたシングルカスクウイスキーで、樽はオーナーが自らサントリーの蒸留所に出向いて利き酒し、選び抜いた世界でも類のない貴重で希少な逸品です。
一つの樽の原酒をボトリングし、その中味はアルコール度数が通常品より高く仕上がっており、瓶詰の本数が限られていることから販売価格よりも十数倍～数十倍に跳ね上がるのが一般的なのも特徴のひとつでしょう。
オーナーズカスクで使われている樽は、主にシェリーの熟成に使用されていた「シェリーバット」やバーボンウイスキーの熟成に用いられていた「バーボンバレル」、バレルを一度解体してから組み直して作られた「ホッグスヘッド」、バットと同じ容量で、丈は短くて横幅が広いずんぐりした形状の「パンチョン」、日本特有のオーク材を採用した「ミズナラ樽」です。
オーナーズカスクの買取では、使用樽の種類や蒸留年度（Distilled in）と瓶詰年度（Bottled in）を基本情報にした上で、希少性の高いボトルや極めて流通数が少ない貴重なボトルなどが特に高価買取の対象になりやすい傾向にあります。
飲まずに置いてあるシングルカスクウイスキー「オーナーズカスク」をお持ちの方は、鮮度が落ちてしまう前に一度ネオプライスの無料査定でお酒の価値をご確認ください。
長い間放置してあったオーナーズカスクが、思わぬ高額で売れるかもしれません。

■山崎蒸溜所が佇む地について

京都の南西・天王山の麓に佇む日本最古のモルトウイスキー蒸溜所、それがジャパニーズウイスキーを代表するサントリーが所有する山崎蒸溜所です。
山崎蒸溜所は、「日本人の繊細な味覚にあった、日本のウイスキーをつくりたい」という創業者・鳥井信治郎氏の決意と熱い想いから実現に至った、ジャパニーズウイスキーのふるさととも言える存在となっています。
山崎蒸溜所を設立するにいたるまで、誰も手を付けたことがなかった国産ウイスキーづくりという難事業に乗り出し、周囲の反対意見も説き伏せながら大胆な挑戦を見事成功させた鳥井氏は、１９２３年に意気揚々、山崎蒸溜所の操業をスタートさせたのでした。
主力銘柄としてつくりあげた国産ウイスキー「山崎」は、ほとんどの商品が今や世界でも権威ある酒類コンペティションで数々の栄誉ある賞を数々受賞し、世界が認めるジャパニーズウイスキーとして確固たる地位に君臨しています。
山崎蒸溜所が佇む山崎の地は、水生野（みなせの）と呼ばれた名水の地だったそうで、かつてはあの有名な茶人・千利休が茶室を設けたのだとか。
万葉の歌にも詠まれるほどの名水の里「山崎」の地は、環境省が選定した日本名水百選にも選ばれる「離宮の水」がこんこんと湧き出しており、山崎蒸溜所では今もその清らかで良質な地下水を仕込水として使用しています。
豊かな自然の恩恵を受け、桂川、宇治川、木津川が合流する独特の地形は湿度が高く、まさにウイスキーが熟成で眠る幾月もの時間をより最適で湿潤な環境へと導いてくれる山崎の地は、ウイスキーづくりの理想郷なのです。