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特別な日の特別なアランのボトル

■創業2年目のアラン蒸溜所が特別にボトリングしたウイスキー

2012年5月、第1回Tokyoインターナショナルバーショーが六本木の東京ミッドタウンで開催されました。
このインターナショナルバーショーは、2011年までに11回開催されていたウイスキーライヴ東京のグレードアップイベントで、バーショーとして日本国内1回目となった記念すべきイベントです。
バーショーは現在も世界各国で開催されていますが、魅力は名だたるバーテンダーのパフォーマンスが楽しめることです。
テイスティングやバーグッズの展示なども行われ、バーのファンにとっては夢のようなイベントと言えるでしょう。
プロのバーテンダーのイベントと言えばカクテルコンペティションがありますが、バーショーはバーテンダーのためと言うより来場者のためのイベントです。
いろいろなお酒のテイスティングを楽しんだり、ブースでパフォーマンスを楽しんだり、バーという空間や文化をみんなで楽しもうというのが趣旨となっています。
そんな楽しいイベントのために、アラン蒸溜所が特別にボトリングしたのがアラン1996年 シェリー 東京インターナショナルバーショー 2012です。
1996年と言えば、1995年創業のアラン蒸溜所にとっては2年目にあたります。
ボトリングされたカスクは、アランの初代マネージャー、ゴードン・ミッチェルがスプリングバンクのフランク・マッカーディから譲り受けたフレッシュオロロソシェリーホグスヘッドです。
希少なシェリーカスクの希少なウイスキーが、東京で開かれる第1回のバーショーのために特別にボトリングされたのは歴史的なことと言えるでしょう。
シェリーカスクならではの芳醇な芳香と余韻を楽しめる、バーショーにピッタリなボトルとなっています。

■アジア初のバーショーへ

バーショーの人気は世界中で非常に高いものですが、そんなショーもアジア圏ではそれまで開催されたことがありませんでした。
日本のバー文化は世界でも最高レベルと称されていますし、バーを愛する日本人もたくさんいるのだからぜひ日本でバーショーを開くべきだという声は、国内外から上がっていたと言います。
そこで、日本バーテンダー協会から設立されたカクテル文化振興会が立ち上がり、ウイスキー業界最大のイベントだったウイスキーライヴとコラボレーションして初のバーショーが開催される運びとなりました。
ウイスキーライヴもウイスキー以外にクラフトビールなどが出展されつつあり、ちょうど進化を模索していた時期にマッチングしたと言えます。
すでに20ヶ国以上で人気となっていたウイスキーライヴがバーショーと連携したのは世界初のことで、2012年のイベントは海外からも非常に注目を集めた歴史的な快挙となりました。
そんな特別な日のために特別にボトリングされたのが、アランのシングルカスクです。
新しい文化の始まり、新しい世界交流の始まりに向けて、アラン蒸溜所が一肌脱いだボトルと言えるでしょう。

■シェリーがしっかり乗った余韻のある味わい

アラン1996年 シェリー 東京インターナショナルバーショー 2012の味わいはと言うと、シェリーの芳香がしっかりと乗った上にメロンや蜂蜜、ヘーゼルナッツといったアランならではのフレーバーがしっかり溶け込んだ仕上がりになっています。
とろりとしたテクスチャーでフルーツゼリーを思わせるという評価もありますが、クリーミーな中にピリッとしたナツメグが利いて、シェリーカスクらしさを感じられる風合いです。
カラーはリッチゴールドで、華々しいイベントの開催に相応しい華やかな印象と言えます。
ソフトでジューシーでありながら、かすかにマッチを擦った時の火花のような香りが鼻孔を刺激し、絶妙なスパイスとなっているのも魅力でしょう。
バーショー2012年は歴史的なイベントとして、大盛況に幕を閉じました。
参加者は改めてウイスキーやバー文化の奥深さを心ゆくまで堪能したことでしょう。
イベントの余韻を長く記憶に残すように、アランの特別ボトルもまた、シェリーカスクの長い余韻を残してくれます。