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■霧島酒造のこれまでの100年
赤霧島は、宮崎県都城市にある霧島酒造の手掛ける焼酎です。
雅と言われるほど済んだ味わいが魅力の焼酎ですが、この気高い香りにたどりつくまでには、100年を超える酒造の歴史があります。
創業は1916年5月、大正5年のことです。
創業者の江夏吉助氏が、宮崎県都城市川東に霧島酒造の前身となる川東江夏商店で、本格焼酎の製造を開始したのがスタートとなります。
今につながる霧島の商標登録を受けたのは1933年、昭和8年のことです。
1945年には2代目となる江夏順吉氏が後を継ぎ、多くの改革を行うこととなります。
順吉氏は焼酎づくりを近代化させるために機械化を進め、杜氏制を廃止し、広く技術者を育成することを始めました。
江夏式蒸留機と呼ばれる機械が開発されたのもこの時期です。
こうした数々の改革を行った順吉氏は、1949年に霧島酒造株式会社に改組し、社長職に就任を果たしています。
そして1955年、昭和30年には水を確保するために深井戸を掘削し、現在酒造の生命の水と呼ばれる霧島裂罅水（きりしまれっかすい）を掘り当てるという快挙も成し遂げました。
また、現在にもつづく焼酎乙類を本格焼酎と呼称することも、1957年、九州旧式焼酎協議会で順吉氏が提唱したものです。
1965年からは原料に黄金千貫の使用を開始し、1971年には本格焼酎の単一工場として当時日本一の規模を持つ工場へと成長させました。
その後も1982年に霧島山麓に霧島自然農園を開設したり、1983年に東京支店を開設したりと順吉氏は精力的に活動を続け、平成8年に3代目江夏順行氏にバトンタッチします。
その2年後の平成10年には黒霧島が発売され、平成14年には日本食糧新聞社主催の食品ヒット大賞で優秀ヒット賞を受賞する焼酎となりました。
赤霧島が発売されたのは平成15年で、焼酎ブームに乗り、平成24年には焼酎売上日本一となりました。

■霧島酒造のこれからの100年
そんな100年を駆け抜けて来た酒造は、現在日本の焼酎文化を海外へ発信する英語サイトを開設するなど、焼酎の飲み方や製造工程を紹介することで海外ファンの獲得を目指しています。
そもそも蒸留技術は14～15世紀に大陸から日本に伝わったとされる事、麹との出会いの歴史など、焼酎文化そのものの歴史も紹介することで焼酎の世界的な認知度を高める活動をしています。
実際に霧島酒造は、平成2から焼酎輸出を始め、現在は中国やベトナム、タイなどのアジア圏約20カ国に販路を拡げています。
まだまだ海外の人々に焼酎が浸透したとは言えない段階ですが、これからの100年を見据えた酒造はきっと今までと同様、偉業を成し遂げるでしょう。
食事と一緒に蒸留酒を飲むという文化は、世界を見てもほとんどありません。
新しいお酒の飲み方として、文化を花開かせる日はそう遠くないでしょう。

■本格焼酎 赤霧島
赤霧島は、大ヒットとなった黒霧島と並ぶ霧島シリーズのひとつです。
原料が紫イモのムラサキマサリで、ポリフェノールが豊富に含まれ、発酵中は麹が生成するクエン酸に反応し、もろみが真っ赤に色付くそうです。
ムラサキマサリは黄金千貫のDNAを受け継ぐ品種で、芋焼酎づくりに最適と言われる遺伝子をしっかり持った原料です。
ただ、ムラサキマサリは収穫量に限りがあり、どうしても流通数が少なく春と秋と年2回のみしか入手できないのがネックでした。
決して高額ではないのですが、入手困難な銘柄としても有名で、心待ちにしているファンも数多くいます。
その特徴は気高い芳醇な香りと澄んだ甘みに凝縮されていて、まろやかでフルーティな味わいは女性からもとても人気が高い焼酎として知られています。
プレミアものと言われるほどに人気がありますが、数量が限定されるために致し方ないことでしょう。
見かけたら買い求めて間違いのない焼酎で、900ml瓶6本1ケースが人気です。
どんな料理ともベストマッチする、食卓に華を添えてくれる逸品です。