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創業200年記念ボトル・アードベッグパーペチューム

■アードベッグ蒸溜所の歴史について

アードベッグ蒸溜所は、1815年にジョン・マクダカルによって建設されました。
この創業当時からは度ー買収などによってオーナーが入れ替わり立ち替わりとなり、結局1980年には生産中止に追い込まれてしまいます。
1987年にアライド・ライオンズが買収し1989年生産を再開しますが、1996年にまた生産停止となったのです。
翌1997年グレンモーレンジ社がアードベッグ蒸溜所を買収して操業が再開され、ここから安定した生産が行われるようになります。
そして2004年にはグレンモーレンジ社がLVMHの傘下となって現在LVMHがオーナーとなります。
つまり、廃業の危機を救った企業こそがグレンモーレンジ社だといえます。

■アードベッグのこだわりの製法とは

アードベッグの製法として有名なのが、ノンチルフィルタードを採用されているということです。
一般的にウイスキーにはチルフィルタードと呼ばれる方法が使われ、これは原酒を冷却ろ過するというものです。
樽熟成した原酒は、温度が低くなると溶け込んだ香味成分の一部が飽和状態となり、白濁沈殿します。
この沈殿物はフィルターでろ過して除去されており、これを冷却=チル・ろ過=フィルタードの過程を経てチルフィルタードと言われます。
ノンが付いているので、おわかの通り、アードベッグではこの冷却ろ過が行われていないということになるのです。
ただ、ろ過していないので沈殿物がそのままというわけではありません。
常温でフィルターにかけられているため、樽の破片などのようなものが入っているようなリスクはないので問題ありません。
あえて冷却ろ過を実施しないで、熟成した原酒そのままのうまみを味わうのがアードベッグのモルトなのです。
さらにアードベッグではアイラ島にある上質なピート層を通ってきたウーダガール湖の水を仕込み水として使用しています。
こちらのウーダガール湖の水は黒い水としても知られており、黒っぽい色をした水で、この仕込み水こそがよりピート感の強いうまみを引き出しているといえるのです。
そして、アードベッグではアイラモルトの中でスタンダードな味わいとして定評のあるボウモアに比べ、アードベッグのピート使用量はその倍以上とも言われています。
アードベッグはアイラモルトの中でも1番とも言われるほど強烈ともいえるピート香が漂うモルトで、ヨード香、土の香り、潮っ気を感じます。
発酵槽にはウイスキーになめらかさを与えるオレゴン松を使用し、蒸溜器に設置されたピューリファイアーと呼ばれる精留器によってフルーティーかつフローラルの華やかな甘さがスモーキーさと絶妙なハーモニーを奏で、アードベッグ独特のうまみを生み出しているのです。
これによりアードベッグは、強烈ともいえるスモーキーさ、そして繊細な甘さの相反する味わいを同時にあわせ持っているということから、「ピーディー・パラドックス」としても評され、世界のモルトファンから親しまれています。

■アードベッグパーペチューム

アードベッグパーペチュームは、アードベッグ蒸溜所の200周年を記念して2015年にリリースされた限定ボトルになります。
その印として、実際にボトルのラベルにも1815-2015と記載されているのです。
パーペチュームは、ラテン語で永久という言葉を意味しています。
永遠に愛され続けるモルトとして語り続けられるウイスキーとしてふさわしい名前です。
アメリカンオークのバーボン樽とヨーロピアンオークのシェリー樽といった2つの樽で熟成した原酒をヴァッティングして造られたウイスキーです。
深みある琥珀色をしており、強烈なピート香とベーコンの燻製香をシナモン、ナツメグになめらかでクリーミーなバニラやホワイトチョコレートの甘みが和らげる絶妙なバランスが魅力のボトルとなっています。
さらにシェリー樽由来のタンニンの香りなどといった渋みあるニュアンスが余韻として残ります。