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アードベッグ10年への道の完結品・厚みある熟成感が魅力のアードベッグルネッサンス

■アードベッグの魅力

アードベッグはスコットランドにあるアイラ島で造られているアイラモルトの一つです。
アイラといえばウイスキーの聖地としても知られるほどウイスキーの蒸溜が盛んに行われている島になっています。
アイラ島のピートと呼ばれる泥炭の影響が強く出ており、ピート由来のスモーキーなフレーバーを感じられるのが特徴です。
これをアードベッグはさらに強烈ともいえるスモーキーさが印象的な中に、さらに繊細な甘み・風味をほんのり感じるという相反する複雑な魅力がバランス良く欠け合わさっていることから、「ピーティー・パラドックス」として世界でも高評価を得ているモルトになります。
この個性的なちょっとクセのあるアードベッグは初心者など苦手な方もいらっしゃいます。
しかし、この独特の味わいに大きな魅力を感じ、世界で熱狂的ともいえるファンが多く存在しており、彼らのようにアードベッグをこよなく愛する人ーのことを「アードベギャン」と呼ばれているほどです。
そして、毎年5月最終週から6月第一週にかけてのアイラ島では、「アイラウイスキーフェスティバル」という一大イベントが開催されています。
このイベントの最終日にお披露目されているのがまさにこちらのアードベッグです。
この日をアードベッグデーと呼び、この日に限定ボトルが毎年披露されています。
ただし、この日にアイラ島へ出向くことができない方もいらっしゃるでしょう。
そのようなアードベギャンのためにも日本でもイベントが開催され、限定ボトルがお披露目されるイベントが開催されています。

■波乱万丈なアードベッグ蒸溜所

アードベッグが造られているアードベッグ蒸溜所は、1815年に建設されましたが買収だけでなく幾度となく操業停止となった歴史があり、1980年から1989年の9年間は完全に生産が止められるという過酷な状況になりました。
しかし数々の苦難を乗り越え1997年にグレンモーレンジに買収により現在のような安定供給が可能となりました。
アードベッグでは他のアイラモルトに比べて強いピート香が大きな魅力ですが、これは麦芽を乾燥させる際の燃料にピートを使うことで麦芽にピートの香りが焚き込まれます。
このときに強く焚き込むことでアードベッグならではといえるガツンとくるピート香、スモーキーな味わいが実現しています。
また、アードベッグではスモーキーさだけでなくフルーティーな甘みが大変魅力がありますが、これはアードベッグ蒸溜所の蒸溜器に取り付けられたピューリファイアーと呼ばれる精留器由来ものです。
このピューリファイアーはアイラ島では党蒸溜所のみに取り付けられた貴重なものであり、独特のアイラモルトの味わいを生み出しているといえます。
またアードベッグ蒸溜所ではピート層を通ってきたウーダガール湖の水を仕込み水として使用しています。
これにより、より強いスモーキーさを生み出していると言っても良いでしょう。

■アードベッグルネッサンスについて

「アードベッグ10年への道」は1998年に蒸溜された原酒を使って熟成年数を段階的にリリースされていたシリーズです。
6年熟成のベリーヤング、8年熟成のスティルヤング、9年熟成のオールモスト・ゼアがありますが、このアードベッグルネッサンスは第4弾としてリリースされた10年熟成の当シリーズの終着点となるお酒になっています。
まさにアードベッグ復活の10年を祝うボトルとして、1998年に蒸溜された原酒が最終的にどこまで熟成されていったかどうかを楽しめる1本です。
つまり、1998年蒸溜、2008年瓶詰めの商品となります。
スモーキーさとピート香がこれまでの先行シリーズの中でも最も強く感じられ、厚みある熟成感があります。
カスクストレングスで冷却ろ過は行われていないことで、よりこれらの味わいをうまく引き出していると考えられるでしょう。
フルーツのようなエステル香や樽由来のバニラが甘く香ります。